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トレーニング&ケア

2021.11.24

高齢の方におすすめしたい!安全な入浴方法と注意点

こんにちは。スリーウェルネス理学療法士の原田です。前回ブログでは快眠へいざなう入浴方法をご紹介しました。快眠のためだけではなく、これから寒くなるこの季節、お風呂でゆっくりと温まって疲れを癒やしたくなりますよね。

入浴は欠かせない日常生活動作の一つですが、身体にもさまざまなメリットをもたらします。特に高齢者にとっては、要介護になるリスクを減らすことや、認知症予防にも効果的であるといわれています。

しかしその一方で、入浴の方法によっては身体に負担をかけてしまうこともあります。今回は高齢者における入浴のメリットや注意点などについて紹介していきます。

高齢の方の入浴、メリットもたくさん!

入浴をすることで、高齢者には以下のようなメリットが得られるとされています。

●入浴動作で要介護リスク軽減

日本温泉気候物理医学会温泉療法医会の研究によると、「週7回以上の入浴」や「年8回以上の温泉施設での保養・休養」をしている高齢者は、それ以下の回数の高齢者と比べて、介護保険への移行を抑える可能性があるとされています。

入浴には、温熱作用、循環促進、代謝促進、老廃物排出、精神的安静・賦活などの効果が得られるため、それらが総合的に作用し、要介護になるリスクを軽減できるのでしょう。
その他にも、入浴動作自体がしゃがんだり、立ち上がったりする運動になるため、足腰も鍛えることができます。

●リラックス効果で質の高い睡眠

人間の身体は、体内深部の体温が下がると眠気が生じるようになっています。入浴によって深部体温を一度上昇させた後に、熱を放出し、体温が下がるタイミングで眠気が誘発されます、寝る1~2時間前に入浴することでちょうどよく体温が下がり、スムーズに眠りにつくことができます。また入浴によって、リラックスすると副交感神経が優位となり、質の良い睡眠を得られやすくなります。

高齢の方に注意してもらいたい!入浴でのポイント

入浴は、身体にさまざまな効果をもたらしますが、誤った方法で入浴すると、逆に身体への負担を強めてしまう場合もあります。時には命に関わることもあり、高齢者の入浴中の死亡者数が年々増加していることが懸念されています。
では、どのような点に注意して入浴をすれば良いのでしょうか。高齢者の入浴時における注意点についてみていきましょう。

● ヒートショックを予防!浴室や脱衣所を暖めよう!

特に寒い季節では、ヒートショックに気をつけなければなりません。「ヒートショック」とは、急激な温度の変化によって血圧が大きく変動して起こる健康被害のことをいい、温度の高い浴室から、温度の低い脱衣所に出る時に生じやすいものです。ヒートショックが原因の可能性がある死亡数 5,690人のうち65歳以上が5315人と、高齢の方に多いことがわかります。

※2019年厚生労働省「人口動態調査」の家及び居住施設の浴槽における65歳以上の死亡者数より想定

● 立ち眩みに注意!浴槽からの急に立ち上がりは危ない!

浴槽から急に立ち上がると、これまで身体にかかっていた水圧がなくなるため、圧迫されていた血管が一気に拡張します。すると、脳への血液供給が一時的に減るため、貧血状態となり意識を失ってしまうことがあります。浴槽から出た時に立ちくらみがした経験がある人もいると思いますが、単にのぼせただけでなく、血圧供給が原因の場合もあるのです。
浴槽から出る時は、手すりや浴槽のへりにつかまりながらゆっくりと立ち上がるようにしましょう。

● お風呂は酔いが醒めてから!食後低血圧に注意!

アルコール摂取後の入浴は、脱水症状や血圧の上昇によって身体への負担が大きくなります。また、高齢者では食後に血圧が下がりすぎる「食後低血圧」によって意識を失うリスクもあります。食後すぐや、アルコールが抜けていない状態での入浴は避けるようにしましょう。

高齢の方必見!おすすめ入浴方法

高齢者が健康増進のために入浴をするには、どのような方法が望ましいのでしょうか。スリーウエルネスがオススメする具体的な方法を紹介していきます。

● 血圧上昇を防ごう!お湯は38~40°のぬるめに設定

浴槽のお湯の温度は38〜40℃のぬるめに設定するようにしましょう。このくらいの温度にすると、副交感神経を刺激するため、心身ともにリラックス効果を得ることができます。
逆に42℃以上のお湯になると、交感神経が刺激され、血圧が上昇して、心疾患や脳血管障害のリスクが高まるため注意が必要です。

●心臓にやさしく!全身欲よりも半身浴

昔からよく「肩までお湯に浸かりなさい」と言われたかもしれませんが、肩まで浸かる全身浴は心臓への負担を強めてしまうので、高齢者にとっては危険です。
浸かる水位は心臓より下の半身浴にすることが望ましいでしょう。

● 実は多いお風呂での脱水症状!
しっかり水分補給を

入浴中は約300ccもの汗をかくといわれており、状態によっては脱水症状になる可能性があります。そのため、入浴後だけでなく、入浴前にも水分を摂取しておくことが望ましいでしょう。可能であれば、入浴中にも水分を補給しておけば、脱水症状になるリスクがより軽減されます。

まとめ

今回は、高齢者における入浴のメリットと注意点について紹介してきました。高齢者にとって入浴は、癒やしや疲労回復だけでなく、多くのメリットをもたらします。方法によっては健康を害する危険性も備えているので、注意点に留意しつつ、安全で健康的な入浴を継続していってください。

スリーウエルネス 原田

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