健康や運動に欠かせない「アミノ酸」　そのはたらきと上手な摂取方法を知ろう！

1 アミノ酸とは？
2 タンパク質とアミノ酸の関係
3 必須アミノ酸と非必須アミノ酸
4 必須アミノ酸を効率よく摂るために
- 4.1 アミノ酸スコア100、100近い食品
5 アミノ酸をバランスよく摂るポイント
6 まとめ

こんにちは、スリーウエルネス健康運動指導士の尾嶋です。

近頃、スーパーマーケットやドラッグストアのドリンクコーナーやサプリメントコーナーで「amino（アミノ）〇〇」という名前の商品や、「BCAA配合」、「EAA配合」などと表記された商品を目にする機会はありませんか？見たことのない方も、注意して探してみると、ドラッグストアではプロテインコーナーの周辺で見つけることができますよ。ということは、何となく運動やタンパク質に関係していそうですね実は、これらの商品、全て「アミノ酸」が含まれているのですが、「アミノ酸」とはどういったものかご存知ですか？

そこで、今回は健康に欠かせない「アミノ酸」について解説します。

アミノ酸とは？

アミノ酸とは、タンパク質を構成する有機化合物の総称です。自然界には約500種類のアミノ酸が発見されています。

人の体は約60%の水分と、20%のタンパク質、そのほか脂質や糖質、無機化合物などで構成されています。タンパク質は、体を動かすためのエネルギー源として利用されるだけでなく、筋肉や内臓、血液、皮膚や髪の毛など、体の重要な組織を形作る材料になりますが、このタンパク質を構成している成分が「アミノ酸」です。つまり、私たちのからだの約20%はアミノ酸でできていると言っても過言ではありません。

また、アミノ酸は体の働きを維持、調節するホルモンや酵素、カラダを守る抗体、神経伝達物質などの材料にもなります。人間のみならず、全ての生き物が生命活動を営む上で必要不可欠なのがアミノ酸です。

タンパク質とアミノ酸の関係

前述しましたが、アミノ酸はタンパク質の材料。タンパク質は多数のアミノ酸が結合し、鎖のように連なったものです。人の体を構成するタンパク質は約10万種類あると言われていますが、人の体を構成するアミノ酸は20種類しかありません。この20種類のアミノ酸の様々な組み合せで約10万種類のタンパク質を、ひいては人の体が形作られています。一つのタンパク質を構成するためのアミノ酸の種類、数、結合の順番は決まっているため、一つでも不足すると私たちの健康を維持することに大きな影響がでる可能性があるんですよ。タンパク質の重要性に関しては、過去のブログにも解説しているので、是非ご覧ください！

必須アミノ酸と非必須アミノ酸

人の体を構成する20種類のアミノ酸は、体内で合成できないため食事などから摂るしかない「必須アミノ酸9種類」と、体内で合成できる「非必須アミノ酸11種類」に分類されます。

また、通常タンパク質の形で存在しているアミノ酸ですが、アミノ酸単体で細胞や血液中などに蓄えられているものもあります。これらの体を構成する２０種類以外のアミノ酸は「遊離アミノ酸」という呼称で分類され、この遊離アミノ酸も私たちの健康を維持するために重要な役割を担っています。

必須アミノ酸(9種類)

必須アミノ酸はどの1種が欠けても、発育、成長、体の維持に影響し、成長期においては、体の成長を停止することもあります。必須アミノ酸は体内でまったく合成されないか、合成されても非常にわずかであるため、食事から必ず摂取しなければなりません。

ちなみに、冒頭に紹介したドラッグストアでよく見かける「EAA配合」という表記のEAAとは、「Essential Amino Acids」すなわち、必須アミノ酸の英語表記の頭文字をとった略称なんですよ。９種類の必須アミノ酸のはたらきと、多く含む食品を下の表にまとめています。

BCAAってなに？

冒頭で触れた「BCAA」とは、運動時、筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸、バリン、ロイシン、イソロイシンのことを指します。これらのアミノ酸は、枝わかれするような分子構造をしているため、BCAA（Branched Chain Amino Acid：分岐鎖アミノ酸）とよばれています。

筋タンパク質中に多く含まれている、筋肉にとって非常に重要なアミノ酸です。

BCAAを摂取することで、血中アミノ酸濃度を高め、タンパク質の合成を増やし、筋肉の分解を減らして、筋肉の増加が期待できると言われています。

BCAAを摂取することで、トレーニング中に筋肉が分解されるのを防ぎ、筋肉が増加しやすくなるため、ドラッグストアのプロテインコーナーの近くでよく見かけるんですね！

非必須アミノ酸(11種類)

非必須アミノ酸は体内で合成されるため、必ずしも食事から摂る必要はありませんが、だからといって不足しないわけではありません。食事からも摂取することを心掛けましょう！下の表に非必須アミノ酸をまとめています。（＊）が付いているものに関しては、食事からも積極的に摂取してほしいアミノ酸です。

遊離アミノ酸

体の構成材料ではなく、単体で存在する遊離アミノ酸にもそれぞれ特有のはたらきがあります。体の調子を整える働きのものも多いため、健康増進のために積極的に摂取しましょう！

必須アミノ酸を効率よく摂るために

体内で合成できない必須アミノ酸は、日々の食事からタンパク質としてバランスよく摂る必要があります。必須アミノ酸をバランスよく摂るために参考になるのが、タンパク質の栄養価を評価する指標の「アミノ酸スコア」です。「アミノ酸スコア」とは、食品に含まれている「必須アミノ酸」がどれぐらい満たされているかで算出されます。100に近い数値であるほど必須アミノ酸を全て含んだ理想的で、「良質なタンパク質」といえます。アミノ酸スコアの高い食品を表に示しています。参考にしてくださいね。

アミノ酸スコア100、100近い食品

アミノ酸をバランスよく摂るポイント

アミノ酸をバランスよく摂るポイントは、肉や魚、卵、乳製品などのアミノ酸スコアが、100近くある良質な動物性タンパク質と、大豆や大豆食品等の植物性タンパク質を組み合わせて摂ること。多様な食品を組み合わせて一緒に摂ることで、アミノ酸をバランスよく摂れるだけでなく、タンパク質以外の糖質や脂質、ビタミン、ミネラルといった五大栄養素もバランスよく摂ることができますよ。