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トレーニング&ケア

2021.08.11

ランナーのための夏の水分補給

こんにちはスリーウエルネス、健康運動指導士の尾嶋です。

昨年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中止となったおかやまマラソンですが、今年は11月14日に開催予定。大会に向けて、夏の時期に体づくりをしている人も多いのではないでしょうか。 気温が高くなる夏場のランニングは、大量の汗で水分が失われるため、水分補給が欠かせません。水分が不足すると、熱中症や脱水症状のリスクも高まるため、適切な水分補給を行うことがとても重要です。

では、夏場のランニングを快適に楽しむための水分補給は、どのようにして行えばよいのでしょうか。こちらでは、夏場のランニングにおける水分補給のポイントについて紹介していきます。

ランニングにおける水分補給の重要性

人は体温を一定に保つ機能を備えています。運動で筋肉を動かすと体内で熱が発生し、その熱を皮膚の血管の拡張や発汗によって体外に放出することで体温を一定に保ちます。しかし、炎天下のランニングなどで体内から大量の水分が失われると、体にはさまざまな悪影響が生じてしまう可能性があるのです。

具体的には、体重の2%以上(体重60㎏の人で1200cc以上)の水分が失われると持久性パフォーマンスが低下し、3%以上(体重60㎏の人で1800cc以上)が失われるとスプリントパフォーマンスが低下するといわれています。ランニングのパフォーマンス能力を低下させないためにも水分補給はとても重要なのです。

特に夏場は気温が高く、体内の水分量も大幅に失われていくため、体重が減少してしまう「脱水」のリスクが高まります。体重の2%までの脱水は、体温にそこまで影響を与えませんが、それ以降となると1%の脱水につき、深部体温の約0.3度の上昇、心拍数の約10拍/分の増加があらわれます。さらに脱水が進行すると、体温が上昇していき、さまざま重篤な症状を起こす熱中症になってしまうので注意が必要です。

自分の発汗量を知っておくと便利

体重の減少量は人によって差があるのですが、自分の発汗量を知っておくと、どのくらい水分補給をしたらよいかの目安になります。算出方法は、運動前の体重から運動後の体重を引き、水分摂取量を足します。その値を運動した時間で割ることで、1時間当たりの発汗量を算出することができます。

ランニングをする際には、脱水を防いで熱中症にならないように、十分な水分補給をするように心がけることが大切です。

スポーツドリンクの性質の違いによる、効率的な水分補給

運動時の水分補給には、スポーツドリンクが適しているということは多くの人が周知のことかと思います。ですが、スポーツドリンクといっても大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか。

スポーツドリンクには「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」と呼ばれる種類があり、それぞれ性質が違うため、運動前後で水分補給に適する飲み物が変わってくるのです。

アイソトニック飲料

アイソトニック飲料とは、人の安静時の血液や体液とほぼ同じ濃度の糖分とミネラルを含む飲料です。体液に近い浸透圧なので、水分がゆっくりと体に吸収されていく性質があり、運動前や安静時の水分補給に適しています。また糖分も含んでいるため、ランニング前に飲んでおくことでランニング時のエネルギー源にもなるというメリットがあります。

ハイポトニック飲料

ハイポトニック飲料とは、人の血液や体液よりも低い濃度の糖分とミネラルが含まれており、安静時の人の体液より浸透圧が低い飲料のことをいいます。ハイポトニック飲料は、運動時の発汗によって体液の浸透率が下がっている状態の体への水分の吸収が早く、ランニング中やランニング後の水分補給に適しています。

アイソトニック飲料として代表的なものは、ポカリスウェットやアクエリアスなどが挙げられ、ランニング前の安静時に飲むことで体に吸収されやすくなります。糖分が多く含まれる分、カロリーも高くなるので飲みすぎには注意が必要です。
一方、ハイポトニック飲料は、アミノバイタルやヴァームなどが挙げられ、ランニング中やランニング後の体内の水分やミネラルが失われている時に飲むと効果的です。

このように、スポーツドリンクは飲むタイミングによって、適している飲料が変わってくるのです。もし、複数用意するのが面倒と思う場合は、アイソトニック飲料を水で薄めて飲んでもOKです。

※浸透圧:2つの液体が同じ濃度になろうとする力のことをいいます。濃度の薄い液体と、濃度の濃い液体が半透膜を隔てて接していた場合、濃度を均一にしようとする働きが生じます。薄い方が、濃い方へ移動することを「浸透」といい、その時に生じる圧を「浸透圧」といいます。

緑茶は水分摂取に適さない?

最近では、脂肪燃焼にカテキンが良いといわれていることもあり、ランニング時の水分摂取に緑茶を選ぶ人も多いではないでしょうか。ですが、緑茶はランニング時の水分摂取にはあまり適していません。

その理由として、緑茶にはカフェインが含まれていることが挙げられます。カフェインには利尿作用があり、補給した量以上の水分を体外に排出してしまうのです。同じくカフェインを多く含むコーヒーや紅茶も同じことがいえます。

同じお茶の中でも麦茶が水分補給に推奨されるのは、カフェインを含まず、ランニングによって失われやすいミネラルも豊富に含んでいるためです。麦茶を抽出する大麦には、体を冷まして、血液の流れも促進する効果があるとされていることから、ランニング後のクールダウンにも適しています。

適切な水分補給で夏場のランニングを快適に

ランニングにおける水分補給の重要性について紹介しました。水分補給は、飲み物の種類によって、また、飲むタイミングによっても体に及ぼす影響に違いが生じてきます。特に水分が失われやすい夏の時期は、適切な水分補給でコンディションを整えることが重要です。おかやまマラソン2021まで残り期間も少なくなってきます。適切な水分補給で夏場のランニングを快適に乗り切りましょう。

スリーウエルネス 尾嶋

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