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トレーニング&ケア

2022.12.07

ケガを予防する丈夫な身体を作ろう!骨を強くする食事のポイントとは?

こんにちは、スリーウエルネス健康運動指導士の尾嶋です。

3年ぶりに開催された「おかやまマラソン2022」は無事に終わりましたが、気温の低い冬場は、まだまだマラソンシーズン真っ只中です。おかやまマラソン以外にも大阪マラソン2023(2023年2月26日開催予定)やびわ湖マラソン2023(2023年3月12日開催予定)など、全国で多くの大会が開催予定なので、参加予定の方も多いのではないのでしょうか?

マラソンなどの長時間続く運動や夏場のスポーツでは、非常に多くの汗をかきます。発汗が続くと、体内のミネラルを失いやすくなるため、骨代謝のバランスが崩れやすくなります。また、今のように寒い時期には筋肉が十分に温まらないうちに動くことで、ケガの発生率が高まります。そこで、今回はケガの予防に役立つ『骨強化の食事・栄養』について解説します。

ケガの予防に役立つ丈夫なからだづくりの食事の基本

スポーツによるケガを防ぐためには、激しい衝撃や高い負荷に耐えられるだけの丈夫なからだをつくり、日々の疲労を翌日に持ち越さないよう、十分な休養とバランスのとれた食生活で、疲労回復に努めることが何よりも大切です。

そのためには、日頃から自分自身が摂取すべきエネルギー必要量を把握して、それに応じた炭水化物や脂質・タンパク質を十分に摂ると同時に、疲労回復を助けて、骨や腱・靭帯を丈夫にするのに役立つビタミンやミネラルを不足しないように注意しましょう。 腱・靭帯を強くする食事についてはこちらのブログを参照してくださいね。

骨の基本知識

骨は身体を支えているというのは皆さん何となく理解していると思います。しかし骨は身体を支えることを含め、重要な5つの役割を担っています。

1.身体を支える
2.内臓の保護
3.運動の支点となる
4.血液(血球)をつくる
5.カルシウムを蓄える

「内臓の保護」や「血液をつくる」という役割は、生命を維持するためにも大変重要そうですね。 また、人間の身体には約206本の骨がありますが、骨は一度でき上がると一生そのままではなく、生活強度や運動強度に合わせて、常に吸収と形成のサイクル「骨代謝」を繰り返し、自らの強度と構造を変化させています。成人の骨は約3~5ヶ月単位で新生され、1年間に全体の約30%が置換されます。

骨折のもとになる骨代謝バランスの崩れ

このように骨は絶えず、骨をつくる「骨形成」と、骨を壊す「骨吸収」のサイクル「骨代謝」を繰り返しています。骨の成分の約80%はカルシウム・リンなどの無機質で、残りの20%はタンパク質の一種『コラーゲン』です。体内のカルシウムの99%は骨や歯に存在し、残りの1%は血液などの体液の中に存在します。この骨以外の1%のカルシウムが発汗などによって失われると、骨からカルシウムが溶け出して、血液中のカルシウム分を一定量に保とうとします。血中カルシウムが低下すればするほど、骨のカルシウムがどんどん血液中に溶け出すため、骨がもろくなってしまうのです。

夏場のスポーツや長時間続き、多くの発汗を伴うスポーツでは、汗からのカルシウムの損失量が多くなるため、カルシウム不足になりやすいといえます。この状態が続くと、新陳代謝が活発な分、「骨代謝」のバランスが崩れやすく、スカスカで密度の少ない骨になってしまうのです。

タンパク質の一種『コラーゲン』

コラーゲンは人間だけでなく、あらゆる動物の体内にあるタンパク質のことで、からだのあらゆる部分に存在します。特に、骨、軟骨、皮膚、腱、歯、血管壁などに多く含まれます。場所によって形や大きさ、働きは異なりますが、骨と筋肉を結び付けて運動を伝える、皮膚の弾力を保つ、細胞同士をしっかりとつなぎとめるなどの役割をしています。

骨強化のための食事とは?

骨を強化する食事の基本は、骨の成分であるタンパク質の一種「コラーゲン」の体内合成を促す食品とカルシウムの多い食品を摂ることです。カルシウムは乳製品・小魚・海藻類・大豆製品・緑黄色野菜などに含まれますが、吸収率はそれほど高くありません。そこで、吸収率を上げるために、カルシウムと一緒に魚やきのこ類に含まれるビタミンDと、果物や緑黄色野菜に多く含まれるビタミンCを摂取すると、カルシウムの吸収が促進されます。更に、納豆や緑黄色野菜、海藻類などに多く含まれるビタミンKは、カルシウムが骨になるのをサポートしてくれるので、和食中心の三食にすると各栄養素をバランスよく摂ることができます。

1.カルシウムの十分な摂取、日頃からよく運動している人であれば、1日に1000mg以上は摂取すること
2.カルシウムの吸収促進に配慮した食事を摂取すること
3.ビタミンD摂取を意識すること
4.十分なエネルギー摂取とバランスの良い食事

骨強化に必要な各栄養素摂取のワンポイントアドバイス

コラーゲンを増やす食事のポイント

お肌や骨、関節のために、コラーゲンが必要だからと、コラーゲンをたくさん食べたとします。食品から摂取されたコラーゲンは、消化管でほとんどが一度アミノ酸へと分解されたのち、吸収されます。吸収されたアミノ酸は、必要なタンパク質へと再合成されていきます。そのため、コラーゲンを摂取したからといって、体内のコラーゲンの量が大幅に増えることはないと考えられています。最近の研究では、経口摂取されたコラーゲンのうち、一部は「コラーゲンペプチド」という小さな分子のコラーゲンになり、皮膚組織まで直接届いたという論文も出ていますが、その効果もまだまだ研究段階のようです。

コラーゲンをたくさん摂っても、体内のコラーゲン量が大幅に増えることは考えにくいですが、体内でのコラーゲン合成を助けるための食事のコツはあります。 体内でコラーゲンを生成するには鉄分が欠かせません。コラーゲンはアミノ酸とビタミンCを材料に、鉄分のサポートを受けて合成されるため、体内に十分な鉄分を保持しておくことで、効果的にコラーゲンを合成することができます。 また、人の体は寝ている間に成長ホルモンが分泌され、その働きにより皮膚や筋肉などのあらゆる組織が作られます。それを踏まえると、就寝前にコラーゲンの材料となるアミノ酸、鉄、ビタミンCなどを多く含む食品を摂ることで体内のコラーゲン合成が効率的に行えそうですね。

カルシウム摂取のポイント

カルシウムは、魚介類、藻類、乳製品、豆類、緑黄色野菜に多く含まれていますが、植物性食品には、カルシウムの吸収を阻害するショウ酸(ほうれん草に多い)、フィチン酸(豆、穀類に多い)などが含まれるので、効率的にカルシウムを摂取するのには牛乳や乳製品が最適です。牛乳や乳製品を中心に、小魚、海藻、豆類、野菜などの食品からバランスよく摂取しましょう。ただし、牛乳が苦手な場合は、チーズやヨーグルトで摂ったり、スープやシチューなどの料理に加えたりするといいでしょう。その他、塩分を摂りすぎると、尿へのカルシウムの排泄が増えてしまうのと、アルコールの飲みすぎは、カルシウムの吸収を低下させてしまうので、注意が必要です。

ビタミンD摂取のポイント

ビタミンDは、魚介類、卵類、きのこ類に多く含まれます。また、ビタミンDは脂溶性ビタミンです。脂質を含む動物性食品から摂取した方が吸収されやすいため、きのこ類(しいたけ、エリンギ、まいたけ、きくらげ)を炒め物や揚げ物にして、油とともに摂取することで吸収率を上げることが出来ます。

ビタミンC摂取のポイント

ビタミンCは、果実類、野菜類、イモ類、でんぷん類に多く含まれています。通常、バランスの良い食事を心がけていれば不足の心配はありませんが、風邪やインフルエンザで体力が落ちているときや、睡眠不足などのストレス、喫煙によってもビタミンCの必要量は高まります。1日の推奨量100mgを通常の食品から摂ることを基本にしましょう。また、ビタミンCは熱に弱く、加熱調理により分解されますが、じゃがいもやさつまいもなどのイモ類に含まれるビタミンCはでんぷんにより保護されているため加熱分解されにくいと言われています。身近なところで購入でき、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品ですね。

ビタミンK摂取のポイント

ビタミンKは様々な食品(野菜類、豆類、藻類、肉類、卵類、乳類、油脂類)に広く含まれるため、普通に食事していればまず不足する心配はありません。中でも、ビタミンK1は、海藻、しそ、モロヘイヤなどの緑黄色野菜に多く含まれ、ビタミンK2は、発酵食品の納豆に多く含まれています。また、ビタミンKは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収率が上がりますので、ドレッシングやソースに油を使う料理や、油を使う炒め物などの調理方法がお勧めです。

まとめ

今回はアスリートやスポーツを行っている人がケガをしないために骨強化のための食事・栄養摂取のポイントを解説しました。丈夫な体を作るための食事・栄養摂取はより長くスポーツを続けるために欠かすことの出来ない基礎となります。もちろん、骨を強化する食事は、アスリートだけに留まらず、更年期を迎えた方や骨粗しょう症改善のための食事とも多くの部分が共通します。強い骨を作ってケガをしない体づくりを行い、いつまでもスポーツを楽しみましょう!

スリーウエルネス健康運動指導士 尾嶋

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