足趾(足の指)から始める健康革命!足趾を鍛えて、バランスを向上させよう!
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こんにちは、トレーナーの村田です。
突然ですが、「足の指、ちゃんと動かせていますか?」
普段靴を履いている時間が長い現代人は、靴のつま先に足趾が圧迫され足の指を意識する機会が非常に少なくなっています。日常的にあまり意識することのない足趾(足の指)ですが、歩行・姿勢・バランスにおいて非常に重要な役割を担っています。足趾の機能が低下すると、つまずきやすくなったり、姿勢が崩れたりする原因にもなります。
今回は、足趾を意識して動作した結果、地面を把持(※)させ足底のバランスを改善させる一歩踏み込んだ内容の足趾エクササイズをご紹介します!
把持:手や足で何かを掴む力
足趾の基本構造
先ずはくるぶしから下、骨の基本構造について説明していきます。
足には片側26個の骨があり、大きく3つの部分に分けられます。

①足根骨(ピンク色) 7個の骨からなり、くるぶしから踵の部分にある骨で、身体を支える重要な土台になります。
踵骨(しょうこつ):体重を支える踵の骨 距骨:足首の動きの要になる骨 舟状骨:内側アーチに関与する骨 立方骨:外側アーチに関与する骨 内側・中間・外側楔状骨:土踏まずを形成する骨
②中足骨(青色) 足の甲にある細長い骨で歩行や走行時の力の伝達に関与し前足部を構成します
③趾骨(黄色) 手の指と同じように三つの骨から構成されます。(親指は2つ)
これらの骨が身体を支え、歩く・走る・跳ぶといった動作を可能にする「土台」として重要な役割を果たしています。
足底の重心・バランスとは?

足底のバランスとは、足裏全体を使って重心を適切に支え、身体を安定させる状態を指します。理想的な足底バランスとは、踵・母趾球・小趾球の3点で地面を均等に捉えつつ、足趾(足の指)がリラックスした状態で接地していることが求められます。

しかし、現代は機能性の高いスニーカーなどを日常的に履く機会が多いため、足の指や足裏の感覚が鈍くなり、特に母趾球で踏む習慣が薄れてしまっています。その結果、重心が外側に流れる癖がつき、立ち上がり動作、立位時、歩行動作ともに母趾球に重心が乗らず外側へ重心が流れ、結果的に膝関節がO脚(内半膝)になりやすかったり、結果的には股関節の変形の問題へまで影響することがあります。
理想的な足底バランスは踵・母趾球・小趾球の3点となりますが、その中でも大事な重心位置は”母趾球”になります。足関節は脛骨(すねの内側の骨)が軸となっており、骨格的に見ても内側(母趾側)に重心を置く構造なため、母趾側(内側)に重心を載せることが大事になります。
母趾球とは
足の親指(母趾)の付け根にある、ふくらんでいる部分のことです。足裏の親指付け根にある、まるで球のように見える膨らみのことを指します。具体的には、親指の付け根の中足趾節関節(MP関節)の底側を指します。

MP関節(中足趾節関節)は、足の指(趾)と中足骨の間にある関節に足底の筋肉が集まった部位を呼びます。足趾を曲げ伸ばしする際の支点となる重要な部位です。このMP関節が支点とならずに足趾のエクササイズ(タオルギャザーなど)を実施してしまうと足の指だけの運動となり指は動くけどMP関節の地面との接地が薄れ結果的に足趾の緊張が高まってしまうケースがあります。足裏のバランスを保つためには、このMP関節周囲の可動性と安定性が非常に重要です。MP関節がしっかりと安定することで、足趾が地面をしっかりと捉え、踏ん張りやすく、またバランスの微調整が可能になります。
足趾のエクササイズ
自宅でも出来る簡単なエクササイズを紹介します。
基本姿勢:椅子(座位)に座り、足幅は腰幅程度に開く 実施回数は10回を2~3セット

①足趾全部上げ動作 足趾を全部引き上げる

【ポイント】
足趾を引き上げる動作ではなく、引き上げた際、踵・母趾球・小趾球がしっかりと地面に接地している状態を維持しながら足趾引き上げ動作を実施することです。意外と目で見れる足趾に注意は行きますが、足裏の感覚は薄いことが多く母趾球・小趾球が地面から離れてしまうことが多いです。このエクササイズを実施することで純粋に踵・母趾球・小趾球、三つのアーチを感じとることができます。

②母趾残し 四趾上げ動作

今回の紹介するエクササイズで最も大事なエクササイズになります。
時間がない方はこれだけでも良いので実践してみましょう!
動作としては拇指を残して残りの四指を引き上げる動作になります。言葉でならべると簡単ですが、いざ実施すると足の指がなかなか思い通りに動かないとおもいます。小趾が引きあがらなかったり、母趾が逆に浮いてしまったりと、なかなか日常的に普段、足趾の指を細かく動かす機会が無いため戸惑いますが、先ずはなんとなく続けてみてください。そして、少し慣れた頃に足趾の動作はコントロールできはじめ四指が、しっかり引き上げることが実施できると思います。
ポイント
母趾を残し四趾を上げている時に、「母趾球(MP関節)がしっかりと地面に接地していることです。
足趾の動きに気を取られ地面との接地が疎かになっていませんか?あくまで、今回のエクササイズは足底のバランス能力を安定させるためです。ポイントは四指を引き上げつつ拇趾の指はリラックスさせ指関節の一つ手前のMP関節(母趾球)で母趾球を地面に押し続けることです。この感覚を身につけることがとても重要になります。

③母趾のみ引き上げ動作

②のエクササイズは四指を引き上げましたが、次のエクササイズは母趾のみ引き上げます。普段、先の狭い靴を履き慣れていると足趾が圧迫され外反母趾や足趾のバランスが崩れ本来の足趾の機能が発揮できず、母趾を真っすぐ引き挙げる動作が難しくなります。五本の指の中で一番大きな母趾がしっかりと安定しないと重心は外側に流れてしまうため本来の動きを取り戻す、必要なエクササイズになります。
ポイント
母趾を引き始めるタイミングで、何となく動作するのではなく「真っすぐ上げる」意識を持って動作することです。意図的に動作することで、不慣れな動作も明確に変化させるきっかけを作れます。足底感覚は他のエクササイズ同様、踵・母趾球・小趾球の3点でしっかりと地面を捉えながら実施しましょう。
動きとしては、、難しい動作ではないですが、いざ実践してみるとなかなか難しいと思います。繰り返し実施していくと、少しずつ出来るようになってくると思うのでやってみてください。
まとめ
今回は足底バランスを改善させるエクササイズについて解説をしました。
意図的に足趾を動かすことにより、もともと持ち合わせた足本来の機能を取り戻すことに繋がります。良い機能の靴やインソールは時として痛みを改善してくれますが、根本的に本来機能しないとエラー要素を改善してくれることには繋がりません。
お風呂上がりのタイミングやトレーニング前に実施するなど習慣化することで足趾を動かす神経や足裏の感覚が良くなりバランスの良い足底感覚が磨かれます。
はじめは上手く足の指が動かないことが大半ですので焦らずにコツコツと続けて行きましょう。
スリーウエルネスでは医療国家資格(柔道整復師、理学療法士)を持ち、人間の身体のことを専門的に勉強したトレーナーがお客様ひとり一人に合ったトレーニングを提供しています。興味のある方はぜひご連絡ください!
