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トレーニング&ケア

2023.01.20

理学療法士が解説!認知症予防に効果的な脳トレって何をする?

こんにちは。スリーウエルネス理学療法士の原田です。
冬本番。寒い日が続くと、外に出るのも億劫(おっくう)になりますね。特に高齢の方は活動量が大きく減り、足腰の筋肉が衰えるなどのリスクの高い季節でもあります。

また、活動量が減ることによるリスクは身体的な衰えだけではありません。外へ出なくなると、人と会うことも少なくなり、会話をする、新しいものを目にするなどの脳への刺激も減ってしまいます。脳への刺激が減ることにより高まるのが「認知症発症のリスク」です。

今回のブログでは、認知症を予防するための運動療法や、脳への刺激へとなりやすい脳トレについて紹介します。活動量が減っているなぁと感じる高齢の方、その家族の方必見ですよ!

日本における認知症有病者数の動向

日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」によると2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人と推計されており、高齢者の6人に1人程度が認知症有病者と考えられています。

2025年には高齢者人口が約30%、2060年には約40%に達すると予測され、超高齢化社会の進む日本では、認知症の有病者数もさらに増加すると考えられます。 今は大丈夫でもこの先、自分自身や身近な方がいつ発症してもおかしくないのが認知症なのです。

なぜ運動が認知症を予防するの?

「認知症」という病気については以前のブログでも紹介しましたが、お読みいただけたでしょうか?そのブログの中で認知症に対する非薬物療法(薬を用いない治療)の中では現時点で発症予防・進行抑制への有効性が確立しているのは「運動療法」だけだと紹介しました。では、なぜ運動療法が認知機能に良い影響を与えるのでしょうか?

運動が海馬を活性化する

まず、運動をすると脳の神経を成長させるBDNF(脳由来神経栄養因子)というたんぱく質が脳の海馬という記憶を司る部分で多く分泌され、海馬の機能維持や肥大に効果をもたらすからだと考えられています。

筋肉への刺激が脳を活性化する

また、身体を動かすと、脳から出た指令が神経を介して筋肉を動かし、同時に筋肉から出た信号が脳に伝わって脳を活性化することが脳への刺激となります。つまり、脳と筋肉は相互に刺激し合う重要な関係性にあるということですね。

脳の血流量が増加する

さらには、脳が正しく働くためには、絶えず十分な血液は流れている必要があります。高齢者やアルツハイマー型認知症の方の脳を調べると、海馬などで脳血流の低下がみられたという報告があります。この血流を改善するためにも、体をしっかり動かして、運動することが効果的だと考えられています。

認知症予防には運動を行い、脳に多くの刺激を加え、血流をよくすることが大切なのはご理解いただけましたね。運動が脳を鍛える=脳トレになるんですね!

やってみよう!運動療法で脳トレ

さっそく運動をしてみよう!と思っても、今までスポーツや筋トレの経験も少なく、急に運動ができるのか不安…という方もいると思います。脳トレのための運動は、必ずしもたくさんの量をこなす必要はありません。生活の中での日常的な行動も一つの運動です。 文献では「中等度の有酸素運動を1日30分から40分、週3日以上で半年から1年の継続」が推奨されています。少し、具体的な例を挙げていくので、ご家族と一緒にやってみてはいかがでしょうか?

ラジオ体操

デイケアに勤務していた頃、毎日、利用者の方たちと行っていたのがラジオ体操です。ラジオ体操は老若男女問わず、誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか。隙間時間に集合して、みんなでラジオ体操をしていました。

ラジオ体操は上半身、下半身、体幹など多くの筋肉を使い、様々なバリエーションの動きを行うため、脳に多くの刺激が与えられます。車いすを使用している方でも、できる動作はたくさんあるので、ぜひ、やってみましょう。

また、以前ラジオ体操の効果や注意点を解説したブログを配信しています。こちらのブログを読んでラジオ体操を実施すると、効果倍増ですよ!

散歩

健康な足腰のため、認知症予防のため「散歩」も有効です。「歩く」という運動はもちろんのこと、今日の気温は「寒い?温かい?」「昨日まで咲いてなかったけど、今日はここにお花が咲いている」など、外に出ることで五感をフルに使うため、脳に多くの刺激を受けることができます。散歩で外の空気を感じてみてはいかがでしょうか?

段差昇降

散歩は天気に左右されてしまいますが、そんな時は段差昇降がおすすめです。10㎝から15㎝の踏み台を準備し、腕をしっかり振りながら、段差昇降を行いましょう。この際に、好きな音楽を流し、歌いながら行うのもおすすめです。

やってみよう!認知刺激療法で脳トレ

高齢の方の中には、持病があって外での運動が難しい、冬場の外出は厳しいという方もいると思います。そんな方におススメなのが「認知刺激療法」を利用した脳トレです。身体を動かさない脳トレと聞くと、パズルゲームや、左右の手を別々に動かすようなリズム体操を想像する方も多いかもしれませんが、そういった難しそうなトレーニングを行うだけが脳トレではありません。

認知刺激療法では、言葉や会話だけでなく、五感(見る、触る、聞く、味わう、匂いをかぐ)をフルに使い、脳の活性化や認知機能の改善を目指します。塗り絵や習字などの創作活動の他、足湯などで「温かい、気持ちいい」といった感覚刺激を利用して、気分の安定を図るのも脳への刺激となり、一つの認知刺激療法と言えます。

塗り絵

塗り絵は誰でもできる脳トレです。その箇所にふさわしい色を選び、決められた枠の中をきれいに塗るために手先を集中して使うなど、脳にしっかりと刺激が入ります。子供向けのものから、今は少し細かい大人向けのものまで幅広く売っているので、好きなものを選んでもらうのもいいですね。

百マス計算

計算の得意な方はおすすめです。スラスラ解けるくらい簡単な問題から始め、徐々に難易度を上げたり、制限時間を設けてやってみるのも良いですよ。

料理

女性はもちろん、料理をやったことのない男性にもおすすめです。料理をするには、様々な工程があります。メニュー選び、材料選びから始まり、材料を相応しい大きさに切る、必要な調味料を計量する、火加減に気を付けながら調理する…など、良い脳トレになりそうですね。また料理は手先だけでなく、匂いや味わいなどの脳への刺激も期待できますよ。

デイケアに務めていた時に、とても人気があったのがカラオケの時間です。高齢の方は昔のエピソードと共に歌をよく覚えている方も多いので、ただ歌うだけでなく、エピソードトーク込みで歌ってもらうと、脳や記憶へのよい刺激になりそうですね。ぜひ一緒に歌ってみてください。

まとめ

認知症の予防については、世界中で多くの研究者が検証を重ね、さまざまな角度から認知症予防策を推奨しています。いずれにしても「これをやれば認知症は防げる!」といった決定的な方法は確立されていません。食事や運動、睡眠、そしてどんな活動を楽しんで行うかなど、日常生活の中でできることから組み合わせて実践し、常に脳に刺激を与え続けることが大切です。

高齢者本人の頑張りも大切ですが、最近あまり外に出てないなぁ、刺激が少ない生活を送っているんじゃないかなぁと周りにいる家族が感じたら、声を掛け、外に出て共に楽しむことが大切ですよ。まずはできる脳トレから始めましょう!

スリーウエルネス理学療法士 原田

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