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トレーニング&ケア

2024.05.23

リハビリ現場の頼れるアイテム「平行棒」の使い方を解説!

みなさん、こんにちはスリーウエルネスの原田です。突然ですが、平行棒とはどんなものかをご存知ですか?私たち理学療法士の現場では、使わない日はないほど使用しているリハビリの道具の1つです。今回は普段どのような目的、方法で使用しているかを紹介したいと思います。

筋力強化から歩行練習まで、平行棒を使用した運動例を紹介します。

平行棒とは

平行棒は名前の通り、左右平行に棒が並んでいます。下の絵のように左右の棒を手すりのように利用し、平行棒内で立ち上がりや歩行など運動を行うのが一般的なイメージではないでしょうか。

平行棒は使う人の身長に合わせて、大転子と呼ばれる太ももの骨の部分に高さを合わせて使用します。また、平行に棒が並んでいるため、麻痺側が左なら右で棒を握って様々な練習をします。

手術後や外傷、整形外科的な治療後でも、右側が術部で膝や股関節の体重をかけたくない時は、左手で平行棒を握り免荷できるようにします。

どんな使い方をしているのか

理学療法士が、どのように患者さんに平行棒を使用しているかをご紹介します。

歩行練習を例に挙げると、実際に歩く動作はもちろん、歩行に必要な動きも合わせて練習していきます。

例えば「歩く」という動作には、まずは座っている状態から、「立ち上がる」という動作が必要です。立ち上がった後は「立位」を保持できなければなりません。また、立位でも左右均等に足裏に体重がかかっている必要があります。立位が安定して初めて歩行ができるのです。この動作一つ一つを練習し、獲得しながら歩行のリハビリを行っていきます。

平行棒を使ったリハビリの例         

平行棒を使った運動の例をご紹介します。患者さんの筋力強化やバランス向上に効果的な運動を、それぞれの身体の状態や必要な動作に合わせて行ないます。

どんな使い方をしているか、平行棒を活用した具体的なトレーニング例をご紹介します。

筋力強化運動  

・足上げ(前後)

・スクワット

・バランス運動(バランスディスク使用)

基本動作の練習

日常生活の中で必要な動作を基本動作と呼びます。

基本動作には寝返り、起き上がり、座位保持、立ち上がり、立位保持、歩行などがあります。

バランスの崩れやすい場合や立って行う動作に不安がある場合、歩行能力の獲得など様々なケースで平行棒を利用して動作練習を行います。

立ち上がり動作を例にご紹介します。

立ち上がり動作のプチ知識

最後に

練習を繰り返していくと筋力が向上し、重心移動がスムーズに行えるようになります。平行棒を使って安心して立ち上がりができるようになったら、平行棒なしで立ち上がる練習へ移っていきます。

また、椅子や車いすのひじ掛けや膝の上に手を置き、下肢の力も使いながら立つ練習をしていきます。そして最終的には、何も持たずに下肢の力のみで立ち上がれるように練習します。

動作だけでなく、筋力強化や関節可動域の改善など機能面のリハビリと並行して、一つの動作を獲得します。このように、動作を分解して一つずつ問題点を解決していきます。足の力が弱い、または様々な身体機能の低下からうまくバランスが取れない時、足への負担の軽減や不安感の解消のため、平行棒を利用して動作をレベルアップしていきます。

同じように、歩行やバランスのとりにくい姿勢、横歩きや継足歩行なども平行棒で安全に練習し、動作の獲得や筋力強化、転倒リスクの低下を目指していきます。 いかがでしたか。平行棒は歩行の練習だけでなく、立ち上がり、立位、バランス練習など色々な使い方をします。今回はリハビリの現場でどのように使用しているかをご紹介しました。また次回は違うリハビリのツールをご紹介していこうと思います。

スリーウエルネス理学療法士 原田

【参考文献】

  • 立ち上がり動作₋力学的負荷に着目した動作分析をアライメント‐

関西理学2:25‐40,2002

後藤 敦 高田 毅 末廣 健児

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