マラソン大会1週間前!ベストコンディションを作るための食事方法【カーボローディング】
目次
こんにちは。スリーウエルネス健康運動指導士の尾嶋です。
今年は新型コロナウイルスの影響で、残念ながら中止になってしまったマラソン大会もありますが、マラソン大会本番が近づくいてくると、トレーニングも最終段階に入り、追い込む方も多いのではないでしょうか?トレーニングばかりに着目しがちですが、ベストなコンディションで本番に臨むためには食事にもしっかりと注意を向ける必要があります。
食事から摂取する栄養素を調整することで、エネルギー切れしにくい体を作ることが可能です。そこで今回は、コロナ禍が明けたら是非実践したい、本番1週間前からできるベストなコンディションを作るための食事方法について紹介していきます。
長時間のパフォーマンス継続に効果的な「カーボローディング」
長時間に及ぶ競技に向けて、必要なエネルギー源を体内に効率よく蓄えておく食事方法に「カーボローディング」という方法があります。
エネルギー源であるグリコーゲンを多く蓄えておくため、「グリコーゲンローディング」ともいいます。
筋肉内に貯蔵されているグリコーゲンは運動時には非常に重要なエネルギー源ですが、貯蔵できる量に限りがあります。体重70kgの男性で、筋肉に貯蔵できるグリコーゲン量はおよそ400gで、エネルギーでいうと1600kcal程度です。
フルマラソンを走ると約2500kcal消費するといわれており、貯蔵されているグリコーゲンだけでフルマラソンを走りきろうとすると、途中でエネルギー不足になってしまいます
カーボローディングは、競技当日の数日前から多くの糖質を食事から摂取して、筋肉内のグリコーゲン濃度を高めにしておき、運動パフォーマンスの向上を図るという方法です。
カーボローディングを適切に行うことで、筋肉内のグリコーゲン濃度が2倍近くになるといわれており、疲労しにくく、良好なパフォーマンスを得られやすくなるのです。
カーボローディングの実践方法
カーボローディングの具体的な実践方法を紹介します。
●本番6~4日前まで
白米やパスタ、うどんをはじめとした糖質を多く含む主食の摂取量を控えて、その分脂質を多く摂取するようにします。普段の食事では糖質50~60%、たんぱく質10~15%、脂質25~30%の比率が日本人の食事の平均だといわれていますが、これを糖質約40%、たんぱく質約25%、脂質約35%の比率に近づけていきます。急激に糖質を減らし過ぎないことがポイントです。
これまで摂取していた糖質を急に減らすと集中力が低下したり、後に高糖質食にする際に、胃腸に負担をかけてしまったりする可能性もあるので、事前から徐々に減らしていくことが望ましいです。
●本番3~1日前まで
高糖質・低脂肪食に変えていきます。できるだけ脂肪の少ない食品を選び、白米やパスタ、うどんといった糖質の主食を摂取します。肉類は脂身が多いのを避け、牛や豚のヒレやモモ肉、鶏のささみなどが良いでしょう。
糖質は食事全体の70〜80%程度の比率が理想的なので、おかずは少なく、主食を多めといったメニューが良いでしょう。
白米や麺類からも糖質を取ることができますが、ジャガイモやサツマイモなどの芋類や果物類にも糖質が豊富に含まれています。スイーツからももちろん糖質を摂取できますが、洋菓子や菓子パンなどの脂質を多く含むものは避けるようにしましょう。
特に競技前日は、揚げ物や脂身の肉、刺身などは消化不良を起こす可能性もあるので要注意です。
●競技当日
試合の3時間前までには食事を済ませるようにしましょう。
糖質が多いおにぎり、バナナ、オレンジジュースなどがオススメです。普段食べ慣れていないものは、胃もたれを起こす原因にもなるので、日頃から食べ慣れているものが理想的です。
具体的なレシピ
競技前日の食事は、競技当日に大きく影響します。糖質をたっぷりと含んだ競技前日のオススメレシピを紹介します。
ツナと豆苗のしょうゆガーリックパスタ
材料<2人分>
パスタ麺 200g
ツナ缶 70g(1缶)
豆苗 1パック
ガーリックパウダー 適量
しょうゆ 大さじ1.5
バター 適量
粗挽き黒こしょう 適量
栄養価<1人分>
エネルギー 531kcal
炭水化物 76.0g
たんぱく質 21.8g
脂質 13.6g
手順
1.パスタを茹でる。
2.フライパンにツナ缶まるごと油も一緒に入れて、弱火で炒める。
(ツナ缶に油がなければ、オリーブオイルかサラダ油を足す)
3.豆苗を一口大に切り、2に加えて中火で炒める。
4.茹で上がったパスタを3に加えて中火で絡めながら炒める。ガーリックパウダーとしょうゆを加えて混ぜ合わせる。
5.最後にバターを加えて風味をつける。
6.皿に盛ったら粗挽き黒こしょう少々かける。
参考:https://www3.nhk.or.jp/sports/story/4851/index.html
まとめ
マラソン本番に向けて、トレーニングだけではなく、エネルギー不足に陥らないようにしっかりと事前に食生活を整えておくことが重要です。
今回紹介したカーボローディングは、運動時のエネルギー源であるグリコーゲンを体内に貯蔵しておくのに効果的な方法です。
しかし、糖質を多く摂取するために、体重が増加したり、内臓に負担がかかったりする可能性もあります。いきなり本番に向けて行うのではなく、前もって実績して自分の体に合った方法を見つけていくと良いでしょう。
スリーウエルネス 尾嶋