つらい冷えから解放されたい!どんなことが効果的?冷え性の原因と対策を解説!
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こんにちは。スリーウエルネス理学療法士の末廣です。
少しずつ日が長くなり、春を感じられるようになってきました。もうすぐ桃の節句です。店頭ではお雛様や桃の節句にちなんだ商品が可愛いらしく、季節を感じさせてくれますね。
春が近づいているとはいえ、まだ朝晩は冷え込みが厳しい季節。特に手足が冷たく、お布団から出たくない…という日もあります。この「手足の冷え」、冬だけではなく、一年中悩んでいる方も多くいると思います。 女性に多いイメージの「冷え」ですが、実は男性でも年を重ねるにつれ実感する方が多いようです。
冷え症?冷え性?
冷え『しょう』の漢字には冷え『性』と冷え『症』の両方が当てはまります。「冷え性」は明らかな原因がなく、検査で異常が認められないものの、体質などにより体が冷えたり悪寒を感じたりすることを指します。
一方で「冷え症」は、原因となる疾患が明らかになっていたり、検査などで正常値から逸脱した結果があり、治療が必要な体の状態を表します。 しかし、文献によって、東洋医学・西洋医学的な分類として用いている場合もあれば、同じ言葉として用いている場合もあります。グレーな部分もありますが今回は一般的な『冷え性』についてお話していきたいと思います。
冷え性はなぜ起こる?
平成28年の厚生労働省の国民生活基礎調査に、「手足が冷える」という症状を訴えている人の割合が示されています。
65歳を過ぎると男女とも半数以上の方が冷えを感じています。また、どの年代も女性の方が多いことが分かります。 これは「筋肉量」が最も大きな原因と考えられます。男性よりも女性の方が、若年者よりも高齢者の方が筋力量は少ない傾向にあります。筋肉は身体を動かす器官であると同時に、糖質を代謝し熱を発生させてくれる器官でもあります。そのため筋肉量が少ないと、筋肉による熱産生が活発化されず、体温が低下しやすくなったり、基礎代謝の低下につながります。これが女性や高齢者に冷え性が多い原因なんですね。
筋肉量の少なさは手足の冷えにも関係しています。日頃の運動量が減り、筋肉量が減少したり、基礎代謝が低下すると、血液がスムーズに流れなくなります。
基礎代謝とは「心臓を動かす」、「呼吸をする」など、身体を維持するために必要な最低限のエネルギー消費のこと。基礎代謝に使われるエネルギーは血液中を流れ、各器官へ運ばれます。運動量が少なく、筋肉を動かさなかったり、基礎代謝が低下すると、それに併せて血流量も減り、手先や足先までしっかりと血液が流れにくくなるんですね。
そのほかにも冷え性の原因として、
- 自律神経の乱れ
- 皮膚感覚の乱れ
- 血液循環の悪化
などがあげられます。 こちらの記事にも詳しい原因や冷え性の種類が載っているので是非参考にしてくださいね。
冷え性には4つのタイプがある!
冷え性は4つのタイプに分類されます。
下半身冷え性
30代以降の方に多く、主に腰から下にかけて冷えるタイプです。上半身は冷えないため、汗はかきやすく、手は温かいです。椅子に座っている時間が長く、お尻や足の筋肉が硬くなり、血流が滞ることが原因に挙げられます。
末端冷え性
若いやせ形の女性や無理なダイエットをしている方に多いタイプです。普段の運動量が少なく、筋肉量が少ないことが主な原因で、肩こりや頭痛がある方も多いのが特徴です。
内臓冷え性
手足の表面よりもお腹が冷えやすいので、自覚しにくいことが多いと言われています。手足が温かいので、発汗量の多い人もいます。ぽっちゃり体系の人に多く見られ、冷たい食べ物、飲み物を好んでいたり、自律神経のバランスが崩れている方が多いです。
全身冷え性
このタイプの冷え性は基礎代謝が低いと言えます。常に体温が低く、夏でも冷えを感じる方も。いつも冷えを感じているので逆に自覚しにくい冷え性のタイプです。
タイプによって対処法が変わる場合もあります。自分はどのタイプの冷え性か当てはまるものを見つけましょう。弱い部分の対処をすることが冷えの改善の近道になりますよ。
体で熱を作り出すシステムとは?
人間の体温は『熱を作り出すこと』と、『熱を外に逃がすこと』で36℃前後に保たれています。熱を作り出す方法は「代謝による熱生産」「ふるえずに行われる熱生産」「ふるえによる熱生産」の3つがあります。
代謝による熱生産
栄養素を、生きるためのエネルギーに変換する際に生じる熱のことです。
”ふるえ”による熱生産
寒いとき体がブルっと震えますよね。寒いときや風邪などの感染症にかかると、脳の視床下部という場所から「体温をあげるように」という指令が出て、筋肉が収縮してふるえることで熱を産生します。風邪をひいたときに熱が上がるのは、体温を上げることで免疫を活性化させウイルスを攻撃するため。風邪で熱が出るのは、本来悪いことではないのです。
”ふるえず”に行われる熱生産
”ふるえ”による熱産生と同じく、寒冷刺激によって引き起こされる熱産生です。自律神経(交感神経)のはたらきで、褐色脂肪組織で行われます。褐色脂肪組織は首やわきの下、肩甲骨の周辺や心臓・腎臓の近くなど限られた場所にある細胞で、脂肪細胞ですがミトコンドリアが多く存在し、このおかげで脂肪を分解して熱を産生することができます。
冷えを予防するには?
冷えを予防するためには、普段の生活の中で運動量を増やして筋力の向上させること、血液循環をスムーズにすること、自律神経を整えることが大切です。 言葉にすると簡単ですが、いざ普段の生活を変えようと思うと大変ですよね。簡単なこと、短時間できることから始めてみましょう!
運動
冷え改善のためには有酸素運動がおすすめです。水泳、ウォーキングやジョギング、ダンスなどでご自分の好みに合った身近なものから始めてみましょう。
体を温めるための運動として考える場合、1種類に絞るのではなく、複数の運動を組み合わせて飽きないようにする、運動する回数を分けるなどの工夫をして、無理なく、長く、生活の一部になるような取り組みが望ましいです。
冷えのためにはなるべく毎日、有酸素運動を20分程度行うのが良いとされています。でも毎日は難しいな…と感じる方も多いのではないでしょうか?ながら運動や階段を使う、1駅歩いてみるなど工夫して少しずつ毎日の運動量を増やすと同様の効果があります。運動に慣れていない、どんな運動をすればいいのかわからない場合、トレーナーのいる施設で適切な運動の方法をプログラミングしてもらい、指導を受けるのがおすすめです。運動経験のない人がやみくもに運動し、ケガをしたり、体調を崩す場合もあるため、トレーナーが指導してくれれば、安心ですね。運動効果を感じながら、安全に長く行っていくことが大切ですよ。
生活習慣の見直し
衣類は締め付けの少ない、季節に合った衣類を着用するように意識しましょう。「3首」(首、手首、足首)には比較的皮膚に近い部分に太い血管が通っているため、外気が冷たいと血管やその内部を流れている血液が冷えやすくなります。また、腹部や腰部をしっかり覆うのも保温に効果的ですよ。
入浴に関しては、シャワー浴だけより、やはり湯船につかる方が体が温まります。少しぬるめ(38℃~40℃)で10~15分ほどつかるとリラックス状態になり、心身とも良いと言われています。また、最近はサウナが流行っていますが、サウナも体を温めることに効果的です。冷水や外気浴と組み合わせて自律神経を整えていく効果がありますよ。
食事も体を温めるのには大切な要素です。体を温める食材としては、「しょうが」が有名ですね。体を温める食材を積極的に取り入れることは冷え性の予防に有効です。また、冷たい食べ物や飲み物は体を冷やします。冷たいと言っても、アイスやかき氷など極端に冷たいものだけではなく、ビールや冷えた飲み物、サラダのような生野菜といった体温より低い温度の食材も体を冷やします。取りすぎには注意が必要です。
体のケア
身体の状態や冷えのタイプで違いはありますが、冷たい部位だけでなく、体幹(体の中心部)を温めると太い血管の周囲が温まるので特におすすめ!
また、肩こりや腰痛などの強い方は、筋肉が張っていて循環が悪くなりがち。冷えを同時に自覚している人も多いと思います。肩こりのためにマッサージを受けると、結果として冷えが改善された…なんていう経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか?
定期的なケアで体の中から整え、温めてみましょう。 スリーウエルネスでは国家資格のある柔道整復師や理学療法士が体の状態を評価して、スポーツマッサージや温熱機器であるインディバ、筋膜リリースやコアコンディショニングなどで体をほぐし整えてケアすることが可能ですよ。
まとめ
温かくなるにつれて冷えが気にならなくなる方もいれば、夏場でも冷房の影響で手足が冷える方もいます。症状の重さは人それぞれですが、自分の身体に目を向けることが、冷えの予防につながります。冷えでお困りの方には、生活習慣の中で思い当たる項目を一つでも変えてみましょう!3カ月ほどで変化が現れると思いますよ。
特に体を中から変えるのは運動と食事、睡眠です。運動に関して、ひとりでは難しいなと思う方やどんな運動をしたらいいのかわからないという方、またインディバに興味のある方はぜひ一度スリーウエルネスにご相談ください。
スリーウエルネス理学療法士 末廣
《参考文献》
- 日本温活協会監修,2022,『温活検定公式テキスト冷え知らず先生が教える温活百科』
- 山口公平監修,2016,「冷え」女性の健康推進室ヘルスケアラボ(取得日2023.02.06https://w-health.jp/woman_trouble/cold/)
- 長寿科学振興財団運営,2016,「低体温」健康長寿ネット(取得日2023.02.06 https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/tei-taion.html)
- 伊藤剛著,冷えと自律神経,2022,第73回日本自律神経学会総会特別公演