そのつらい頭痛の原因は?頭痛のタイプと予防法を理学療法士が解説!
こんにちは。スリーウエルネス理学療法士の原田です。
桜の花も咲き誇り、季節はすっかり春ですね。寒い冬が終わり、温かい日が続いたかと思うと、また急に寒くなる。三寒四温を繰り返しながら少しずつ季節が進んでいきます。そんな気持ちのいい春ですが、この時期多くの方に起こる症状が「頭痛」。
春は、朝晩の寒暖差に加え、社会的にも進学、進級、就職、転勤、人事異動などで環境が大きく変化する方も多く、ストレスを感じる人が増える時期です。精神的緊張、疲れ、ストレス、睡眠不足や過睡眠なども頭痛が起こる原因の一つと考えられます。また、緊張から解放された休日になると急に頭が痛くなる方が多いのも特徴です。頭痛には様々な原因がありそうですね。そこで今回は多くの方が悩んでいる頭痛についてお話したいと思います。
あなたの頭痛どんな痛み?
頭痛は誰もが経験あるありふれた症状。風邪や疲れ、ストレスなどで起こる日常的な身体の不調です。女性では月経周期のホルモンバランスの変化によって周期的に頭痛を起こすケースもあります。
日本人の三人に一人は慢性頭痛に悩む、いわゆる頭痛持ちという統計結果があります。こうした、頭痛に悩む人の大半は医療機関を受診せずドラッグストアなどで薬を買って対処していると言われています。今、このブログを読んでいる方も、現在進行形で頭痛を感じているかもしれません。その頭痛は、どんな痛みですか?ズキン、ズキンと脈を打つような痛みですか?それとも、ぎゅーっと締め付けられるような痛みですか?痛みの種類や部位でも少し原因が違ってきます。
頭痛の種類
頭痛は「日常的に起こる頭痛」「脳の病気が原因の頭痛」「慢性頭痛」の大きく3つに分けられます。
① 日常に起こる頭痛
風邪、二日酔いなど
② 脳の病気が原因の頭痛
くも膜下出血、髄膜炎、慢性硬膜下血腫、脳出血など
③ 慢性頭痛
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛
この3つの頭痛のうち、もっとも多く、また原因が分かりにくいのが「慢性頭痛」です。
慢性頭痛はさらに片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3つに分けられています。ここからは慢性頭痛について詳しく見ていきましょう。
慢性頭痛の3つのタイプ
片頭痛
病態の詳細は未だ不明な点が多いですが、何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起きるのが「片頭痛」です。 脳の血管が拡張することで、周囲の三叉(さんさ)神経を刺激し、刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張して「片頭痛」を引き起こします。 心身のストレスから解放されたときに急に血管が拡張することがあり、仕事のない週末などに「片頭痛」が起こることもあります。 繰り返す頭痛を訴える方のうち約80%の方は片頭痛が原因と考えられます。片頭痛は小児・思春期~60歳頃までの方に繰り返し出現し、体を動かすことをきっかけに痛みが増します。また、光・音過敏、吐き気・嘔吐などの随伴(ずいはん)症状を伴い、日常生活に支障をきたします。
(特徴)
- ズキンズキンという拍動(はくどう)性の頭痛
- 前兆を伴うことがありキラキラした光、ギザギザした光(閃輝暗点:せんきあんてん)などの視覚性の前兆が多い
- 片側の頭痛が典型的ではあるが、40%は両側にみられる
- 階段の上り下りなど身体の動きで悪化
- 吐き気や嘔吐を伴う
- 光や音に対する感覚過敏
【治療・予防】
発作時の痛みを軽減させることを目的とした急性期治療と、発作の程度・頻度を改善させる予防療法があります。急性期治療にはアスピリンなどの鎮痛薬や、拡張した血管を収縮させたり、血管周囲の炎症をとる作用のある薬の服用が中心となります。しかし、急性期治療薬を使用しすぎると頭痛が悪化したり、慢性化したりすることがあります。これを「薬剤使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛:MOH)」と呼びます。このため、薬剤の過度な使用も頭痛を引き起こすため、注意が必要です。
予防療法では「急性期治療のみでは日常生活に使用がある方」「片頭痛発作の頻度の高い方」「急性期治療の薬剤使用方により頭痛を引き起こしている方」に対し、予防治療薬(発症抑制薬)を定期的に使用することがすすめられます。
緊張性頭痛
緊張性頭痛の痛みは両側性の軽度から中等度の圧迫感または、締め付け感があります。緊張型頭痛は最もよく見られる頭痛ですが、寝込んでしまうほどではないため、病院受診するほどではないと判断される方が多いのも特徴です。病態は未だに不明ですが、反復性緊張性頭痛では頭周囲の筋緊張が関連しており、慢性緊張性頭痛では筋緊張をコントロールする脳内システムの異常が関連していると考えられています。
(特徴)
- 頭全体、もしくは後頭部から首にかけての締め付け感や圧迫感
- 拍動性ではない
- 精神的なストレス他、一定の姿勢を長時間継続することで疲労による筋肉の緊張、血管の圧迫などで発症
(治療)
軽度かつ反復性の緊張性頭痛はストレッチやストレス発散などで対処できると考えられます。しかし、重度のストレスや精神的緊張、うつや不安神経症は危険因子となりうるため、時に治療が必要となります。運動不足やうつ向き姿勢も緊張性頭痛の原因です。頭痛による苦痛が強い場合にはアセトアミノフェン等の鎮痛薬を使用します。
群発頭痛
群発頭痛は自殺をも考えてしまうほど激烈な頭痛発作が数週から長期間連日のように発現するきわめて重症度の高い疾患です。発症する原因は未だ不明ですが、脳の視床下部あるいは三叉(さんさ)神経と血管の関係、内頚動脈(ないけいどうみゃく)などに原因があるのではないか考えられています。
(特徴)
- 眼周囲から前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が数週から数か月の期間群発する
- 夜間、睡眠中に起こりやすい
- 頭痛発作の際に眼の充血や流涙、鼻水や鼻づまり、縮瞳(瞳孔が収縮する)と眼瞼下垂(瞼が下がる)などを伴う
- 頭痛発作中は落ち着きがなく、興奮したような様子
(治療)
群発頭痛の発作は年に1度ほど1~2か月くらいの期間、連日のように45分~1時間持続してしまいます。生活上の注意点として、痛みがある間は禁酒しましょう。薬物療法としては発作時には酸素吸入(15分間)や血管を収縮させる薬「スマトリプタン」などの注射が有効です。予防的にはステロイド、エルゴタミン製剤などが用いられます。
片頭痛や緊張性頭痛の予防にストレッチを!
片頭痛発作が増えると、脳内の頭痛回路が首の後ろにまで伝わり、痛みのしこりを作ります。軽い運動やストレッチは後頸部の筋群をほぐし、脳の痛み調節系に良い刺激を送ります。そのためストレッチには片頭痛発作の予防が期待できると考えられています。
また、緊張型頭痛はストレス頭痛とも呼ばれ、筋緊張を伴います。頭を支えている首から肩への筋肉に、ストレスにより強い負担がかかり頭痛の原因となります。この結果生じた筋緊張にもストレッチは有効です。
日頃からデスクワークで同じ姿勢を取っている方は、仕事の合間や一日の終わりにストレッチを取り入れてみましょう。
スリーウエルネスでできること
スリーウエルネスにはビジターでも利用できる「ケアプラン」があります。筋膜リリースや温熱機器「INDIBA®」を使用し、筋肉の張りや痛みをケアできます。
日頃から慢性頭痛に悩んでいる方は頚部、腰背部の筋肉の硬さが頭痛の原因かもしれません。ケアプランではしっかり、頚から背中にかけてコリを解きほぐすケアが可能ですよ。
また、筋肉の硬さは運動不足が原因のことも多くあります。運動をして原因を取り除いてあげるのも頭痛予防には大切ですよ! ぜひ一度、スリーウエルネスでケアやトレーニングの体験をしてみませんか?
スリーウエルネス理学療法士 原田