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トレーニング&ケア

2022.06.01

あなたの基礎代謝量は?自分に合ったエネルギーバランスを知ろう!健康のための栄養基礎知識

こんにちは、スリーウエルネス健康運動指導士の尾嶋です。

新年度がスタートし、はや2か月が経とうとしています。心機一転、健康のためにスポーツや運動をはじめた方も多いのではないでしょうか。

運動やスポーツも健康のためには大切ですが、運動で得られる効果を最大限に高め、より健康でいるためには「適切な食事」を摂ることが必要不可欠。今回は、適切な食事を摂るために欠かせない栄養の基礎知識についてお話します。

栄養と栄養素

私たちは生きるために必要なものを食事から取り入れて利用し、不要なものを排泄しています。この一連の活動を「栄養」といいます。

また、「栄養素」とは、食べ物に含まれる物質のうち、健康に役立つ必須の物質のことです。例えば、炭水化物(糖質と食物繊維の総称)や脂質は、身体を動かすエネルギー源になり、タンパク質は、エネルギー源だけでなく、身体の組織形成や筋肉づくりには欠かせません。

栄養学では、これらの3つの栄養素を三大栄養素と呼びます。また、三大栄養素のようにエネルギーや体の構成材料にはならないけれど、身体の調子を整える役割や果たす「ビタミン」と「ミネラル」を追加し、五大栄養素と呼ぶこともあります。

バランスの良い食事を摂るために

以前のブログで「健康寿命を延ばすためのバランスの良い食事」について紹介しました。そもそも、「適切な食事」、「バランスの良い食事」のためには、1日にどんな食品をどれだけ摂る必要があるのでしょうか?

それを一目で理解できるように図式化されたガイドがアメリカの農務省が推奨する「My Plate(マイプレート)」です。このMy Plateはお皿型のガイドで、お皿を赤:果物、緑:野菜、紫:タンパク質、茶色:穀物、青:乳製品と色分けして、望ましい食品バランスを面積で表しています。
以前は「Food Guide Pyramid(フードガイドピラミッド)」というピラミッド型のフードガイドが推奨されていましたが、2011年、より感覚的にわかりやすいお皿型のガイドにリニューアルされたようです。

My Plate

日本での図式化されたガイドとしては2005に厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」が有名です。この「食事ガイドバランス」は「健康な方々の健康づくり」を目的に作られ、食事の望ましい組み合わせとおおよその量が、イラストでわかりやすく示されています。

日本の栄養所要量基準の変遷

日本人の栄養所要量基準の変遷を見ていきましょう。
1970年から2004年までは、日本人が1日に摂取すべきエネルギーを、年齢別、体重別、男女別等の諸条件をもとに計算し、求めた基準値を「日本人の栄養所要量(食事摂取基準)」として、当時の厚生省(現厚生労働省)が作成、5年ごとに見直し、改定を行ってきました。

そして、2005年に厚生労働省がこれまでの「日本人の栄養所要量(食事摂取基準)」を見直し、新たに「日本人の食事摂取基準(2005年版)」を策定し、5年ごとに改定を行っています。最新版は2020年4月に改訂されたものです。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」は、さらなる高齢化の進展を踏まえ、健康の保持・増進、生活習慣病の発症・重症化予防に加え、新たに高齢者の低栄養予防・フレイル予防も視野に入れたものになっています。

基礎代謝ってなんだろう?

1日に何をどれだけ食べればよいかを知る前に、まずは自分の「基礎代謝量」を知らないと、適正な食事量を計算できません。

基礎代謝量とは、生命維持活動をするために最低限必要なエネルギーの量のこと。具体的には、安静状態における呼吸や血液の循環、体内の生合成と分解、体温維持に要するエネルギーの量(kcal)を指します。

一般的に基礎代謝量が最大となるピークは10代で、その後は加齢とともに低下していきます。 また、基礎代謝におけるエネルギーの多くは筋肉で消費されるため、筋肉量が多くなると基礎代謝量は高くなります。すなわち、体を動かす習慣やスポーツに取り組み、筋肉を維持していくことで、基礎代謝を維持でき、脂肪が付きにくい体質を作ることにもつながるんですね。

基礎代謝量を計算してみよう!

基礎代謝は年齢や性別で多少の違いがあります。厚生労働省が発表している計算式は以下の通りです。

●15~17歳の男性「27.0×体重(kg)」女性「25.3×体重(kg)」
●18~29歳の男性「24.0×体重(kg)」女性「23.6×体重(kg)」
●30~49歳の男性「22.3×体重(kg)」女性「21.7×体重(kg)」
●50歳以上の男性「21.5×体重(kg)」女性「20.7×体重(kg)」

年齢や性別、また身長や体重、筋肉量などによって、基礎代謝量はひとり一人違います。今回計算した数値も、あくまで目安として活用してくださいね。

1日のエネルギー所要量を求めてみよう

基礎代謝量がわかると、次は推定エネルギー必要量を求めることができます。早速計算してみましょう!健康な成人の1日の推定エネルギー必要量は、

推定エネルギー必要量(Kcal/日)=基礎代謝量(Kcal/日)×身体活動レベル

で、求められます。
「身体活動レベル」という言葉が出てきましたが、身体活動レベルとは1日で消費するエネルギーが基礎代謝量の何倍かを示した数値です。当然、身体を動かす仕事をしている方や運動習慣のある方は数値が大きく、逆にほとんど動かない方は数値が小さくなります。下の表から、あなたの身体活動レベルの数値を探してみましょう。

(例)体重53㎏、35歳女性、身体活動レベルⅡ(ふつう)の1日あたりの推定エネルギー必要量

一日の基礎代謝量=21.7×53kg=1150Kcal/日
推定エネルギー必要量=1150×1.75=2012Kcal

と算出されます。

自分に合ったエネルギーの摂りかた

自分に合った推定エネルギー必要量の次に「何をどれだけ食べればいいか?」が分かれば、自分なりの「ちょうどよいバランスの食生活」が実践できるようになります。

エネルギー源になる栄養素は、三大栄養素、すなわち炭水化物と脂質、タンパク質です。エネルギーを摂取するとき、三大栄養素をどのような割合でとるかは健康上、とても重要で、この割合をエネルギー比率と呼びます。

「炭水化物60%(糖質は50%以上):脂質25%:タンパク質15%」の割合で摂取することが、理想的なエネルギー比率とされています。 推定エネルギー必要量と理想的なエネルギー比率がわかると、実際に何をどのくらい摂取すればよいのか計算によって求められます。下の表に各栄養素のはたらきと1g当たりのエネルギー量(Kcal)、多く含む食品をまとめていますので、計算してみましょう!

先ほど例に挙げた、体重53㎏、35歳女性、身体活動レベルⅡ(ふつう)、推定エネルギー必要量2012Kcalの場合だと、

炭水化物(糖質) 2012Kcal×0.6÷4*=301.8g
タンパク質    2012Kcal×0.15÷4*=75.45g
脂質       2012Kcal×0.25÷9*≒55.89g
*は、1gあたりのエネルギー量です。

となり、これが1日に必要な炭水化物、タンパク質、脂質の量になります。

理想的なエネルギー比率の食事を摂取しよう!

理想的な炭水化物、タンパク質、脂質の量は分かりましたが、この数値を目標として食事を選ぶ、献立を立てるのは専門知識でもない限り、難しそうですよね。
まずは今の食生活のバランスをチェックすることから始めましょう!

1日に食べたものを記録し、使われている食材のおおよその量さえわかれば、下記のサイトに食材名を入力するだけで、その食材に含まれる炭水化物、タンパク質、脂質の量が分かります!

食品成分データベース: http://fooddb.mext.go.jp/
※このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。

中にはコンビニやスーパーでお弁当を買ったから、何が入っているか分からないということもあるのではないでしょうか?ご安心ください!2020年4月より、新たな食品表示制度が完全施行となり、一般用加工食品には、栄養成分表示が義務化されています。たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムの量及び熱量は、必ず表示しなければならないという決まりがあるため、ラベルにそれぞれの量が表示されていますよ!

1日に食べたものの総量が理想的なエネルギー比率と比べどうかをチェックし、足りないものは増やす、過剰なものは減らすという風に調整し、理想的なバランスへ近づけていきましょう!

また、上記サイト以外にも、最近では様々なスマホアプリで、エネルギー量や理想的なエネルギー比率を管理できるものもあります。それぞれの生活スタイルに合った方法を色々試してみるのも良いかもしれませんね!

まとめ

今回は、栄養の基礎知識をテーマに、主に三大栄養素から自分に合ったエネルギー摂取について解説しました。

バランスよく三大栄養素を摂取するためには、主食・主菜・副菜をバランスよく食べることが大切です。「自分で考えるのは面倒だな」という方は、まずは、「食事バランスガイド」を参考にすることで、おおよそ何をどれだけ食べれば良いのかを知ることが出来ます。

一汁三菜

また、昔ながらの日本食のスタイル「一汁三菜」は、栄養バランスの取れた食事だと言われていますので、この記事と合わせて参考に、どんなものをどれだけ食べればいいのか考え、栄養バランスの良い食事を心がけてくださいね。

スリーウエルネス 健康運動指導士 尾嶋

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<参考サイト>
農林水産省HP : https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/index.html

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