1. ホーム
  2. ブログ
  3. 疎かにしがちなクールダウンの目的と必要性を見直そう!

トレーニング&ケア

2022.04.27

疎かにしがちなクールダウンの目的と必要性を見直そう!

こんにちは、スリーウエルネス健康運動指導士の尾嶋です。
すっかり暖かくなり、屋外での活動が気持ちの良い季節になってきましたね。
以前のブログで「ウォーミングアップ」の重要性について解説しましたが、お読みいただけましたか?

今回は運動が習慣化している人でも、必要性は感じているけど疎かにされがちな「クールダウン」の重要性についてお話します。

運動直後の体にはどんな変化が起きている?

学生時代の体力テストや部活動で経験したことがある方も多いと思いますが、激しい運動や高強度のトレーニングを行うと、運動の最中より運動直後に呼吸が苦しくなったり、痛みを伴う筋肉の張りを感じたり、めまいや吐き気を感じたという経験がある方は多いと思います。

激しい運動をすると交感神経が優位になり、心拍数・呼吸数が増加し、発汗が増え、体温が上昇します。また、筋肉が張り、場合によって痛みを伴ったり、こむら返りを起こすこともあります。その他にも血圧が変動するなど、自分では感じられない変化が身体の中では起こっています。

クールダウンの目的って何だろう

クールダウンは運動によって高くなった体温や筋温、心拍数や呼吸を通常の状態に戻し、硬くなった筋肉を緩め、興奮状態の身体をゆるやかに落ち着かせる目的で行われます。また運動によって優位となった交感神経を鎮め、副交感神経を優位にすることで、身体を回復モードへ切り替え、疲労を翌日以降に持ち越さないこともクールダウンの目的の1つです。

クールダウンが身体に与える影響と必要性

運動で増加した呼吸数・心拍数を緩やかに低下させる

運動で呼吸数が増える原因として、筋肉を動かすのに多くの酸素を取り込む必要があること、酸素を消費した結果排出される二酸化炭素が呼吸中枢をさらに刺激すること、そのほか神経反射や運動による体温上昇などが挙げられます。

100メートル走で、走っている最中よりも、走り終わった直後の方が息苦しいと感じた経験のある方、多いのではないでしょうか?これは運動直後1~2分の間は、体は急な変化に対応できず、二酸化炭素の排出量は多い状態が続き、呼吸中枢への刺激は継続されるために起こります。

主運動の直後にクールダウン(ジョギングやウォーキング)を行うことで、筋肉に必要な酸素の量を確保しつつ、体温や神経の興奮ゆっくりと平常時(安静時)に近づけることができるため、息苦しさからの回復を促すことができますよ。

激しい筋活動により硬くなった筋肉を緩める

筋肉の張りや痛み、筋疲労は乳酸が筋肉に溜まることが原因とされてきました。そのような話を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?
近年、乳酸は筋肉の張りや痛みとは直接関係がないという論文が多く出されています。激しい運動を行うと、筋肉内に代謝産物である水素イオンが溜まりやすくなります。昨今、この水素イオンが急性の筋肉痛や筋肉の腫れを引き起こすという説が有力です。

この筋肉の張りや痛みに対しては、硬く張った筋肉を緩めるために静的ストレッチングを行うのが有効とされています。筋肉に張りや硬さを残したままにしておくと、筋肉への血流量が減少し、翌日以降のリカバリーにも影響してきます。トレーニングや運動の後にはしっかりとストレッチを行いましょう!

血圧の急激な低下を予防する

運動を急に中止した直後にめまいや吐き気を感じた経験のある方いませんか?
激しい運動中は心臓からたくさんの血液が筋肉に送られ、筋肉からも筋ポンプ作用で心臓に血液が返っています。急に運動をやめると、心臓は筋肉に血液を送り続けているのに筋ポンプ作用は停止するため、心臓へ戻ってくる血液量が急に減少します。心臓に戻ってくる血液が少なくなると、心臓から送り出される血液の量も減少し、血圧が急激に低下します。この結果、一時的な脳貧血状態に陥り、脳への血流の不足により、立ちくらみや吐き気、ひどければ意識喪失が起こる場合もあります。

主運動後にクールダウン(ジョギングやウォーキング)を行ない、弱い刺激でも筋肉を動かし続けることで、筋ポンプ作用の停止とそれによる急激な血圧低下を防ぎ、脳貧血状態を回避できます。

クールダウンが身体に及ぼす影響と必要性、ご理解いただけましたか?
運動直後、急激に起こる変化を緩やかに回復させ、翌日以降のリカバリーにも大きく影響するんですね。疎かにしていた方も改めてクールダウンの重要性を見直して、運動後に取り入れていきましょう!

クールダウンの手順

安全で効果的なクールダウンは、5~15分ほどかけて行うのが良いとされています。ゆるやかな一定時間の軽い運動と、それに続くストレッチで構成されます。実施時間はその日行った運動の強度や心拍数・呼吸数によって変わります。心拍数が上がり、激しく息切れするような運動をした場合には、平時の心拍・呼吸数に近い値に戻るまで、長めにジョギング⇒ウォーキングを実施しましょう!

ジョギング

主運動の激しい運動から徐々に勢いを抑えるために、ジョギングでゆっくりと心拍数を下げていき、心拍数と呼吸を正常に近づけていきます。

ウォーキング

軽い腕ふりや肩回しをしながら歩くと同時に、ゆっくりと呼吸を整えましょう。脳に十分な血液と酸素を送ることで、失神やめまいを防ぎます。

ストレッチ

主運動でよく使った筋肉を中心に、反動をつけずにゆっくりと伸ばしていきます。心地いい伸びを感じながら、20~30秒間くらい筋肉を伸ばした状態を維持することで、運動直後におきやすい筋肉のけいれんやこむら返りなどになりにくくなります。また、翌日以降に見られる遅発性筋肉痛や筋肉の硬直を軽減できます。

まとめ

クールダウンの重要性、ご理解いただけましたか?激しい運動後に少し歩くだけでも何もしないよりずっと効果があります。クールダウンは、安全で効率的に運動を継続するために不可欠です。

今回解説したクールダウン以外にも、「栄養」、「休息」も運動の継続や疲労からのリカバリーには大切な要素です!次回はトレーニングと栄養に関してのブログを配信予定です。今後のブログをお楽しみに!

スリーウエルネス 健康運動指導士 尾嶋

ボタン
ボタン
ボタン

<参考サイト>
健康長寿ネット「乳酸とは」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-kiso/nyusan.html
e-ヘルスネット「有酸素エネルギー代謝」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-001.html
e-ヘルスネット「乳酸」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-045.html

関連記事

一覧へ戻る
ページのトップへ