気づかぬうちに“要介護予備軍”!? 将来の介護回避のために知っておきたい3つの概念
こんにちは、『スリーウエルネス』理学療法士の髙井です。
新年度も早1カ月余りが過ぎ、夏の到来ももう間もなく。
コロナの影響で季節の移ろいを感じる行事は減ってしまいましたが、時間は着実に過ぎゆくもの。有意義な人生を送るためにも、一日一日を大切に過ごしたいものです。
とはいえ充実した毎日も、心身の健康あってこそ。
長引く自粛生活で活動機会が少なくなったり、前向きな意欲が減退してしまったりしている人もいらっしゃるかもしれませんが、そんな今こそ、自身の変化にしっかりと向き合うべきとき。今回はそんな皆さんにぜひ知っておいてほしい3つの病態概念についてお話しします。
知っておきたい3つの病態概念
サルコペニア
「横断歩道を渡り切る前に信号が変わってしまう」「歩くときに杖や手摺りが必要になる」などといったことはありませんか?
筋肉量は運動習慣の有無や年齢、性別などによって個人差がありますが、加齢をはじめとする何らかの理由でそれが著しく減少し、筋力や身体機能が低下した状態を「サルコペニア」と呼びます。転倒や骨折のリスクが高く、要介護・要支援状態を引き起こす原因のひとつといわれています。
チェックポイントは、ふくらはぎの一番太いところを両手の親指と人さし指で囲んだ時に隙間ができるかどうか。隙間が大きければ大きいほど、サルコペニアの可能性が高いと考えられます。
ロコモ(ロコモティブシンドローム)
一方、骨や関節、筋肉、神経などといった運動器に障害が生じたために移動機能が低下をきたした状態を「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」と呼びます。
広義では前出のサルコペニアもこれに包摂されますが、サルコペニアが筋力低下に特化するのに対し、ロコモは筋力を含む運動機能の低下全般を指します。骨や関節、神経の障害は痛みを伴うことが多いため、日常生活の自立度を低下させ、要介護状態に陥るリスクが高くなります。
「片足立ちで靴下がはけない」「家の中でつまずくことが増えた」など、バランス能力の低下を実感している人は要注意。骨粗しょう症や骨折、変形性膝関節症などに起因して発症するケースも多く見受けられます。
フレイル
筋力や運動機能の低下した状態を「身体的フレイル」、加齢に伴う心理的変化、精神的・認知的機能の低下した状態を「精神的フレイル」、独居や経済的困窮など社会的問題に陥った状態を「社会的フレイル」と呼びます。
「ダイエットをしたわけでもないのに短期間で体重が2~3kg減った」「以前に比べて疲れやすくなった」「外出したり人に会ったりするのが億劫に感じる」という人は、これに該当する可能性があります。
進行すれば要介護・要支援状態になるリスクが高まりますが、生活習慣や環境の改善で健常な状態に戻すことも可能で、いわば「健常と要介護の中間的状態」といえるでしょう。正式な医学用語ではありませんが、一般に「虚弱」と表現されることもあります。
筋力の低下は40歳前後から!40代から始めよう、介護予防!
一見とても元気で若々しくても、筋肉量の減少は40歳前後に始まるといわれています。特に現代は、家電や交通網の発達によって日常的な運動機会が減少し、以前に比べ筋力低下スピードが加速。「サルコペニア」「ロコモ」「フレイル」には高い相関性がありますから、介護の早期化を防ぐためにもまずは定期的な運動習慣を身に付け、筋力・運動機能の維持を心がけたいものです。
とはいえ、筋肉はやみくもに運動して増やせるものではありません。やり方を間違えると、関節や筋を傷めて「ロコモ」を誘発してしまったりする恐れもあるので注意が必要です。
「どんな運動をすべきか分からない」「継続する自信がない」という方は、プロの手を借りるのも手。スリーウエルネスでは、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドトレーニング&ケアプログラムで、介護予防・健康づくりをサポートしています。「すでに痛みがあって運動できない」という方も、理学療法士や柔道整復師、看護師といったスペシャリストたちが一丸でサポートするので、ぜひお気軽にご相談くださいね。
スリーウエルネス 理学療法士 髙井