腸内環境を整えよう!今大注目の食物繊維「レジスタントスターチ」とは?
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こんにちは、スリーウエルネス柔道整復師の大塚です。
WBCが終わり、はや2か月が経ちました。今年のWBC大変盛り上がりましたね。メジャーリーガーも参加し、野球ファンからするとたまらない大会だったのではないでしょうか?日本代表にも多くのメジャーリーガーが出場していましたね。そんな中、私が一番注目していた選手はダルビッシュ有選手です。ダルビッシュ選手は野球だけでなく、トレーニングや栄養にもとても詳しく、知識も豊富で、SNSや動画配信サイトで多くの情報を発信しています。
アスリートの身体の資本となる食事にもかなりこだわりを持っているようです。そんな一流アスリートのダルビッシュ選手が唯一摂っている炭水化物があるのです。それは、「冷凍の焼きおにぎり」。なぜ?と思われた方も多いと思います。 この疑問を解決する、キーワードになるのが、「レジスタントスターチ」です。「レジスタントスターチ」とは何なのでしょうか?なぜダルビッシュ選手は冷凍焼きおにぎりを食べるのでしょうか?詳しく解説します!
レジスタントスターチとは?
「レジスタントスターチ」という言葉を聞いたことはありますか?「レジスタントスターチ」とは、体内で消化されにくい(レジスタント)でんぷん(スターチ)のことで、日本語では「難消化性でんぷん」とも呼ばれています。その名の通り消化されにくいことから、食物繊維と同様の機能を持つことで注目されています。本来でんぷん(糖質)はブドウ糖に分解され、小腸で吸収されますが、この「レジスタントスターチ」は消化されずに大腸まで届き、腸内で働いてくれます。
レジスタントスターチで特に注目すべき点は、ただの食物繊維ではなく「発酵性食物繊維」だということ。発酵性食物繊維は、善玉菌のエサとなって発酵し、善玉菌の増殖をサポートするとともに、善玉菌に有用物質(短鎖脂肪酸)を作らせることで、腸内を悪玉菌が増えにくい弱酸性に保ってくれる、腸内環境改善(腸活)に役立つ食物繊維なんです。
また、レジスタントスターチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つの性質をあわせ持ちます。水溶性食物繊維とは水にとけやすく、ネバネバ・ドロドロしているものとサラサラとしているものがあることが特徴。保水性が高く、便を軟らかくすることでスムーズな排便を促します。また、糖質の吸収を緩やかにすることで、食後血糖値の上昇を抑えることにも役立つと言われています。いも類、キノコ類、海藻類、納豆などに多く含まれます。
対して、不溶性食物繊維は水に溶けにくく、繊維質でシャキシャキとした歯ごたえがあることが特徴。水分を吸収して膨らむ性質があり、便のカサを増すことで腸を刺激し、便通を促します。また、有害物質を吸着して排出することにも役立ちます。ごぼう、玄米、たけのこなどに多く含まれます。 レジスタントスターチは、この二つの性質をあわせもつことから、「ハイパー食物繊維」とも言われています。
レジスタントスターチを食べるとどんなメリットが?
発酵性食物繊維であり、水溶性食物繊維でもあり、不溶性食物繊維でもあるレジスタントスタート。では食べるとどんなメリットがあるのでしょうか?
血糖値急上昇を抑制
暴飲・暴食などで糖質が急激に体内に取り込まれると、血糖値が急上昇し、それを抑えようとインスリンが大量に分泌されます。血糖値が乱高下すると血管を傷つけてしまい、糖尿病、認知症、ガン発症のリスクが高くなると言われています。レジスタントスターチは、血糖値の上昇を抑制する効果があるため、摂取後、ほぼ消化される事なく腸内を移動し、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。それに伴い、インスリンの大量分泌をも抑えることができます。
ダイエット効果
レジスタントスターチを多く含む食材には、消化がゆるやかで空腹を感じにくくしてくれる効果があります。特に玄米やさつまいもは食べる際に一定数の咀嚼(そしゃく:かみ砕く動作)を必要とするので、満腹中枢が刺激されて食べすぎを防止してくれます。 また、最近では糖質や脂質を制限してダイエットを行う人が増えています。過度の炭水化物(糖質)や脂質の制限は、確かに短期間で体重を落とすことができます。しかし、空腹状態が続き、精神的なストレスも大きく、制限を止めるとすぐにリバウンドしてしまいがち。完全に糖質や脂質を制限してしまうのではなく、レジスタントスターチを含む食品を上手に活用することで、健康的にストレスも少なくダイエットができますよ。
腸内環境を整え、美容効果も!?
大腸まで届くレジスタントスターチは、善玉菌のエサとなり腸内環境を整えてくれる効果があります。この効果によって便秘解消はもちろんのこと、肌荒れの原因となる有害物質を、腸内環境の改善によって増えた善玉菌達が、体内に入れない様に見張ってくれるため、美肌効果も大きく期待できます。
レジスタントスターチの性質と種類
ここまで「レジスタントスタート」と一括りに紹介してきましたが、実は4つのタイプに分けられます。 下の表に4つのタイプと多く含まれる食品、生理的機能をまとめてみました。
ここで注目して欲しいのが「RS3」。炭水化物を冷まして食べることでレジスタントスターチを多く摂取できるということです。炭水化物に含まれるでんぷんの中には、加熱調理後に冷ますことによって性質が変わり、小腸では消化されずに大腸にまで届くものがあります。冷やすだけで、腸に多大なメリットをもたらす可能性があるということです。 冒頭で紹介したダルビッシュ選手が冷凍の焼きおにぎりを食べるという話も、ここに繋がります。
おススメの食べ方とは?
お米を冷やして食べるとレジスタントスターチが多くなるとは言え、いきなり、3食すべて冷や飯を食べるのは難しいと思います。例えば、お仕事をされている方などは昼食にレジスタントスターチを多く含む食品を食べると、血糖値が急に上がらないため、午後からの業務に眠気やだるさを感じにくくなり、仕事の効率も期待できます。お昼ならば、朝にお弁当を作っておけば、お昼には冷めるため、お米のレジスタントスターチは増え、特別な手間も必要ありません。コンビニのお弁当は、温めずにそのまま食べるのもおススメです。
〈その他おススメの食べ方〉
- お昼ご飯をお弁当にし、温めずに食べる
- うどんやそばは冷たいものを選ぶ
- ジャガイモ料理は、ポテトサラダや冷製スープに!
まとめ
レジスタントスターチ、覚えていただけましたか?多く含まれるものを選んで食べるだけでなく、普段食べているものを「冷やすだけ」で含有量が増え、腸や身体によい影響を与えてくれるとされていますレジスタントスターチ。ひと手間加えるのではなく、ひと手間抜くことで得られます!気になる方はぜひお試しあれ!
スリーウエルネス柔道整復師 大塚