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トレーニング&ケア

2022.11.24

その姿勢の悪さ骨盤底筋に原因が?骨盤底筋・インナーユニットを鍛えて美しい姿勢を手に入れよう!!

こんにちは。スリーウエルネス理学療法士の末廣です。

日増しに寒くなり、11月も下旬。そろそろこたつが恋しい季節になってきましたね。街路樹も葉が散りはじめ、冬の訪れを感じています。寒さが増すと背中を丸めてしまい、姿勢が悪くなりがちですね。

以前のブログで骨盤底筋群について書きましたが、お読みいただけましたか?骨盤底筋群と聞いて、「尿漏れ」に関わることはご存知の方多いと思います。そんな骨盤底筋群、実は姿勢にも大きく関わっています。今回は骨盤底筋群と姿勢について詳しく解説していきます!

姿勢に関わる骨盤底筋群

以前、ブログの中で、骨盤底筋群の重要なはたらきを3つ紹介しました。

  • 内臓(特に骨盤内の臓器)を体の中のあるべき場所に収める(支える)
  • 排尿や排便のコントロール
  • 他の体幹部の筋肉と共にインナーユニットとを構成し、腹圧を一定に保ち姿勢を保持しバランスを保つ

この3つのはたらきのうち、「姿勢保持」に骨盤底筋群がどのように関わっているのか、また、その働きが弱くなった時どのような問題が起きるのかなどを詳しく見ていきましょう。

インナーユニットってなんだろう?

骨盤底筋群は体幹にある腹横筋(ふくおうきん)・多裂筋(たれつきん)・横隔膜(おうかくまく)と協働して「インナーユニット」を構成しています。インナーユニットには腹圧を一定に保ち、姿勢の維持や動作時に身体を安定させる働きがあります。

インナーユニットの筋肉がバランスよく収縮することで、立っているときや座っているときに、コルセットのような役割を果たし、腰椎や骨盤、股関節や骨に直接強い負荷がかかりにくくなります。

また、両腕を大きく振ったり、足を上げたりなど、重心が大きく移動し、バランスを崩しやすい動作の時には、インナーユニットが骨盤を固定するように働き、体幹を安定させています。

すなわち、体幹を安定させ、支えてるのがインナーユニットの役割です。そのインナーユニットが機能しなくなると、腰椎や骨盤に負荷がかかり、体幹が不安定になり、バランスを崩しやすく、「姿勢が悪くなる」ということですね。

良い姿勢と悪い姿勢

では良い姿勢、悪い姿勢とはどんな姿勢のことなのでしょうか?

良い姿勢ってどんな姿勢?

実は、姿勢についての評価は、見る人の職業や目的によっても判断基準が変わります。安定していることを評価する、生理的に疲労しにくいことを評価する、エネルギー消費量が効率的なことを評価する、美的な面を評価するなど様々な観点があり、一概に「どういう姿勢が良い姿勢か」の判断基準は一つではありません。

理学療法士が姿勢を評価するとき、『良姿勢(りょうしせい)』『不良姿勢(ふりょうしせい)』という見方をします。 理学療法士的には『ストレスや緊張が最小限の状態で身体の最も効率的な状態』を健康的な良い姿勢、すなわち「良姿勢」と評価します。具体的には重心が左右の偏りなく、骨盤の上に胴体、頭部が一直線上にある姿勢のことです。

不良姿勢ってどんな姿勢?

逆に、『悪い姿勢=不良姿勢』とは、軟部組織(皮膚や筋肉、筋膜、結合組織)や関節などに何らかの障害や動きの悪さが起こることで生じ、脚や骨盤、頭部が一直線になっていない、重心が前後左右不均等に偏っている姿勢のこと。

偏り方によって不良姿勢にも種類は様々あります。猫背や反り腰、ストレートネックや関節に痛みの生じやすいスウェイバック姿勢などが不良姿勢に当たります。

人は本来、背骨が頚部(首)で前方、胸で後方、腰で前方へ弯曲(わんきょく)し、仙骨へと移行し骨盤を形成します。この脊柱の自然な弯曲が崩れてしまうことが不良姿勢の大きな原因になります。

インナーユニットの機能低下が不良姿勢を引き起こす!

加齢や運動不足などでインナーユニットが機能しなくなると、体幹部の筋肉がはたらかなくなり、腰椎や骨盤の安定性が低下します。つまり脊柱の自然な湾曲を保持することが難しくなり、不良姿勢へと繋がります。

不良姿勢が続くと、見た目が美しくないだけでなく、全身の筋肉のバランスの不均衡を引き起こし、肩こりや腰痛、むくみや内臓の圧迫、呼吸が浅くなる…など様々な身体の不調の原因になります。

今一度、自分の姿勢を見直しましょう。不良姿勢になっていませんか?不良姿勢の改善には『健康的な姿勢とは何か』を正しく知ることが第一歩です!

もちろん、インナーユニットの機能不全だけでなく、体型や生活習慣、運動の習慣や職業なども姿勢に影響します。身体に動かしにくい部分はないですか?普段どのような姿勢を取ることが多いですか?運動はしていますか?生活の中にも多くの不良姿勢の原因が潜んでいますよ。

骨盤底筋群、インナーユニットを鍛えて美しい姿勢を!

骨盤底筋群、インナーユニットが弱っていることが原因で姿勢が悪くなっているなら、それらを鍛えればいい!確かにその通りです。しかし、骨盤底筋群・インナーユニットの位置を正しく把握し、思い通りに収縮させる(動かす)のが難しいと感じる方も多いと思います。

まずはモーターコントロールエクササイズ

使い慣れていない筋肉は思うように動かせなかったり、働きにくくなっています。そんな時は、まず軽い力で収縮させ、動かす感覚をつかむためのエクササイズから始めるのがおすすめです。本格的な運動の前に、思い通りに筋肉の動き(運動)を制御するためのエクササイズということで、このような運動を「モーターコントロール(運動制御)エクササイズ」呼びます。

モーターコントロールエクササイズを繰り返し、筋肉が収縮する(働いている)感覚をつかめるようになったら、徐々に運動強度を上げ、段階的に筋力トレーニングへと移行していきましょう。

◆ドローイン(腹横筋のモーターコントロールエクササイズ)

腹横筋とは腹直筋や腹斜筋などのお腹の表面の筋肉のさらに下層にある筋肉です。腹筋運動のような、腹部の筋肉を強く刺激する運動を行うと、表面の腹直筋や腹斜筋が働いてしまい、下層の腹横筋には刺激が入りづらくなります。そんなときはドローインというエクササイズを行い、腹横筋に刺激を入れましょう!

① 上向きに横になり、両ひざを立てます。
② 初めに腹式呼吸を何度か繰り返してみましょう。
③ 慣れてきたら息を吐きながら腹部をへこますように引き込みます。
なるべく下腹部を引き込むように意識することで腹横筋下部~中部線維の活動量が大きくなるといわれています。
④ これ以上引き込めないというところで、息苦しくないよう浅い呼吸をしながら10~30秒キープしてください。 また同じくらい休憩をしながら5セットほど繰り返してみてください。

◆骨盤の前傾(多裂筋のモーターコントロールエクササイズ)

多裂筋とは背骨についている小さな筋肉の集まりです。背中を伸展(のばす)する働きがありますが、大きく力を入れ背中を伸ばそうとすると、表面にある脊柱起立筋が主に働いてしまい、多裂筋を意識して動かすことができません。

① うつ伏せや四つ這いの姿勢でゆっくり骨盤を前傾(前に倒す)ように動かすことで、脊柱起立筋を働かせず、多裂筋に刺激を入れます。
② 急に動かすと腰が痛くなることもあるので、ゆっくり3秒カウントしながら軽い力で5回繰り返してみましょう。

◆ゲーゲル体操(骨盤底筋群のモーターコントロールエクササイズ)

① 仰向けになり、両ひざを曲げ、足の裏は楽にマットにつけます。
② 息を吐きながら骨盤底筋を上げて引き締めます。ポイントはただギュッと引き締めるのではなく、おへその方へ引き上げるようなイメージで行うこと。
④ 3秒維持して、5秒力を抜くを10回繰り返しましょう。一日に3~5セット行うと効果的です。

紹介した3つのエクササイズすべてに共通することは、力を入れ過ぎないこと。力を入れようと意識すると、本来動かしたい深い場所の筋肉ではなく、外側の大きな筋肉が動いてしまい、エクササイズの効果が得られません。リラックスして力を抜き、小さく動かすのがポイントですよ。

インナーユニットのトレーニング

インナーユニットの筋肉にモーターコントロールエクササイズで刺激を入れ、活性化させた後は、体幹の安定性を高めるために、大きな筋肉のトレーニングをおこなうと効果的です。

◆お尻上げ(大殿筋、内転筋、多裂筋のトレーニング)


① 仰向けで脚は腰幅で膝を立てます。膝の角度は90度にしましょう。
② 膝を閉じ、内ももに力を入れたままお尻を上げます。このとき、膝の間にボールを挟むと内ももに力を入れやすくなります。
③ お尻を上げた状態で5秒キープ。このとき、腰が反りすぎない、太ももと身体が一直線になるよう意識する。
② 5秒キープ×10回を目安に行ってみてください。

まとめ

骨盤底筋群をはじめとしたインナーユニットが適切に働くことで、姿勢が良くなり、良姿勢が維持できます。姿勢が良くなるというのは、単に見た目が良くなるだけでなく、転倒しにくい、疲れにくい、力を発揮しやすい、痛みなく活動できるなど、様々なメリットがあります。

基本は、どこにあって・どのような働きをする筋肉かを知るところからトレーニングは始まります。 ご自宅でできるエクササイズ、トレーニングを紹介しましたが、正直、わかりづらい、鍛えづらいのが骨盤底筋群。

スリーウエルネスでは人体の構造を把握した理学療法士や柔道整復師などの国家資格を保有したトレーナーがマンツーマンでトレーニングを指導します。一人では難しいなと感じた時には、お気軽にご相談ください!

スリーウエルネス理学療法士 末廣

<参考文献・サイト>

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