健康寿命ってなんだろう? スマートライフプロジェクトを実践して充実した余生を!
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こんにちはスリーウエルネス看護師の富永です。
まだまだ寒い日が続いていますが、家にこもって運動不足になっていませんか?
皆さんは“ピンピンコロリ”という言葉を聞いたことがありますか?
この言葉は『健康寿命』の長さを言い表したもので、病気に苦しむことなく元気に“ピンピン“長生きして、最後は寝たきりにならずに”コロリ“と亡くなるということを意味しています。
”平均寿命”という言葉はよく聞くと思いますが、『健康寿命』という言葉は聞き馴染みのない方もいるのではないでしょうか。
健康寿命ってなんだろう?
『健康寿命』とは2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した言葉で、健康上のトラブルによって日常生活が制限されずに暮らせる期間のこと。
WHOが発表した世界保健統計2021によると日本の「平均寿命」は男性81.5歳でスイスに次ぐ第2位、女性は86.9歳で第1位、男女の平均では84.3歳と世界一の長寿国です。それに対し、厚生労働省の第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会「健康寿命の令和元年値について」が発表した日本の「健康寿命」は男性が72.68歳、女性が75.38歳。つまり、男性は寿命を全うする最後の8.82年間、女性は11.52年間は何かしらの健康上のトラブルを抱えて過ごすことになるということです。
日本は長寿の国とはいえ、
「寝たきりになった」
「脳梗塞などの後遺症で介護なしでは生活できない」
「認知症を発症した」
など、自立した生活が送れない状態で晩年を過ごす方が多くいるのが現状です。そのような状態では、医療費や介護費などの金銭的な負担や家族への介護の負担が増え、QOL(生活の質)の低下が予想されます。
この『健康寿命』を延ばすことが思い描くような悠々自適な晩年、ピンピンコロリを達成するための鍵になりそうですね。
岡山県の健康寿命はどれくらい?
平成28年岡山県民の平均寿命は男性81.5歳、女性88歳。それに対し、健康寿命は男性71.6歳、女性74.3歳。平均寿命と健康寿命の差は男性は9.9年、女性は13.7年の開きがあります。平均寿命と健康寿命の差の全国平均は男性8.82年、女性11.52年ですから、その差よりも長くなっています。
すなわち岡山県民は全国平均に比べ、健康上のトラブルを抱えて余生を過ごす時間が長いということ。この差を縮めることは岡山県民の重要な課題と言えそうですね。
健康寿命を短くする「生活習慣病」
では、健康寿命を短くしてしまう原因疾患にはどんなものがあるのでしょうか?
脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)と心疾患(心筋梗塞や狭心症など)は、がんや肺炎と並ぶ主要死因。直ちに死に至らなくても重大な後遺症により、介護が必要となる原因疾患になることもあります。脳血管疾患や心疾患を発症する人は、高血圧や肥満、メタボリックシンドロームなどのいわゆる「生活習慣病」を基礎疾患として持っている割合が多くなっています。
また、生活習慣病も代表としてよく挙げられる糖尿病(2型糖尿病)も、放置すると自覚症状がないまま病状は進行し、腎不全や失明、下肢の壊疽(えそ)による切断、心筋梗塞や脳梗塞など重篤な合併症に至り、健康寿命に大きな影響を与えます。
高齢者と呼ばれる65歳以上の方はもちろん、働く世代の方も若いうちから生活習慣病予防に取り込むことが健康寿命の延伸には欠かせません。
健康寿命延伸のために!「スマート・ライフ・プロジェクト」
生活習慣病改善や健康寿命の延伸のために、何から始めれば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
そんな方々は『スマート・ライフ・プロジェクト』を実践してみてはいかがでしょう。
スマート・ライフ・プロジェクトとは「健康寿命を延ばしましょう」をスローガンに国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした厚生労働省の国民運動です。やるべきこととしては「適切な食事」「適切な運動」「禁煙」「健康診断の受診」「検診の受診」があります。
たくさんある健康情報の中から信頼できる情報を選ぶのは難しいし、いろんな情報があり混乱するという方には厚生労働省発信なら安心して実践できそうですね。
そんなスマート・ライフ・プロジェクトを詳しく見ていきましょう!
「適切な食生活」
人の体は食べた物からつくられています。また美味しく楽しく食べることは、生きる喜びの大きな要素の一つですよね。
栄養・食生活は、健康の保持・増進の基礎となります。1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを考える際に参考になるのが、厚生労働省と農林水産省の共同により策定された、食事バランスガイドです。
これを使って、日ごろの食事メニューのバランスを見てみましょう。不足しているものはありませんか?摂りすぎているものはありませんか?気付きはとても大切な1歩です。
「適切な運動」
運動すること、日常の身体活動量を増やすことで、メタボリックシンドロームを含めた循環器疾患・糖尿病といった生活習慣病の発症や、これらを原因として死亡に至るリスク、加齢に伴う生活機能低下(ロコモティブシンドローム及び認知症)を下げることができると言われています。
ロコモティブシンドロームを予防するために厚生労働省が推奨する1日に歩く歩数の目標は男性9,200歩(約6.5㎞)、女性8,300歩(約6㎞)程度です。
ちなみに岡山県民の平均歩数は男性8,136歩(全国7位)、女性6,042歩(全国41位)と目標歩数と比べるとかなり不足しています。一歩が約70㎝だとすると、1,000歩は約700メートルです。ちょっと遠回りをする、歩ける距離は歩く、晴れた日は車に乗らず歩く、と意識を変えて歩数を増やす努力をしましょう。
「禁煙」
喫煙を続けるとがんや高血圧などの重篤な疾病の発症リスクが上がり、健康寿命の延伸を妨げてしまいます。喫煙者の「禁煙」も健康づくりには欠かせません。肺は今が一番元気なのです。喫煙者の肺は喫煙歴が長くなるほど、衰えています。タバコをやめにくいのはニコチンへの渇望と精神的依存です。やめることは決して楽ではないかもしれませんが、今は禁煙外来などもあり、やめるための手助けとなる薬剤もあります。少しずつ禁煙にむけてチャレンジしましょう。
「健診・検診の受診」
「健診」とは自分の健康状態を知り、病気のリスクを見つけること。
「検診」は特定の疾患を発見するために受診することです。『健診』により今の健康状態を詳しく知り、『検診』で病気を早期発見、早期治療することで、後遺症のリスクや介護のリスクを減らせます。
働いていたころは毎年職場で健診を受けていたけど、定年後は受けていないという方、健診で引っかかったけど、病院に精密検査に行っていないという方、定期的に、早期に『健診・検診』行くことが健康寿命の延伸に繋がりますよ!
岡山市で健診・検診情報はこちら
倉敷市で健診・検診情報はこちら
岡山県での取り組み
岡山県では、健康寿命を延ばすために、「参加・交流」「休養・元気」「禁煙・節酒」を加えた「ともに生き活き」の取り組みもあわせて推進しています。
「ともに生き活き」とは
岡山県では近年、ストレスの解消ができていない人の増加や、若い世代の飲酒量の増加が課題になっています。高齢者が仲間とともに生き活き暮らすために、社会参加や人とのつながりを持って、取り組むようすすめています。一人ではくじけることが多いことも、仲間と励ましあいながらなら継続してできることがポイントです。
まとめ
健康は、一人ひとりの良い生活習慣によって保持・増進されるもので、「自分の健康は自分でつくる」ことを自覚する必要があります。また良い生活習慣を身につけるうえで、家庭の役割が重要であることも認識が必要です。病気になってからこれまでの悪い生活習慣を後悔しても、もとの健康な生活は送れなくなる可能性があります。
「適切な食事」「適切な運動」「禁煙」「健康診断の受診」「検診の受診」スマート・ライフ・プロジェクト、できていないことがあれば今日から改善、実践して健康寿命を延ばし、ピンピンコロリを実現しましょう。
スリーウエルネスではどんな運動をすればよいのかわからない、一人では続けられそうにないといった方に、トレーナーがマンツーマンで指導します。
今まで運動をしたことのない方も、過去に運動していて、また始めようという方も、是非ご相談くださいね!
スリーウエルネス 富永
参考資料
現在の健康づくりの取組と今後の施策について、厚生労働省健康局 健康課、2021年3月 健康おかやま21セカンドステージ、岡山県、2018年3月