<健康歳時記>筋肉を躍動させる身体づくりと秋の薬膳

トレーニングと並行して、「走れる身体」をつくる

東洋医学において、秋は陰陽平衡の季節。天(陽)と地(陰)の「気」がバランスよく、心身が充実し、運動にも適した季節です。今回はマラソンを完走するための、東洋医学からみた身体のつくり方をお話します。

マラソンはハードな運動なので、東洋医学において身体を支える「気・血・水」のすべてを消費させますから日頃から気血水を充実させておくことが大切です。

<気が不足する>→呼吸が苦しくなる。気力が持たない。
<血が不足する>→筋肉がうまく動かなくなる。貧血症状。
<水が不足する>→脱水症状、呼吸や筋肉・関節がスムーズでない。

気血水が不足するとこのような症状になりやすく、中でもランナーに多いのは貧血です。東洋医学での貧血は血液の働きがよくない状態のことなので、血液検査で正常でも、貧血状態の人は多くいます。また水分をとっていても、細胞の中に水分が入らず、水不足の人もいます。
血も水も不足した状態が続くと、筋肉は”ビーフジャーキー”のようにカスカスになってしまいます。このような筋肉に強い負荷がかかると筋肉断裂や肉離れやこむら返りも起きやすく、回復にも時間がかかってしまいます。補う方法としては、薬膳が役立つので参考にしてください。

マラソン完走のためにとりたい食材
●気を補う● 米、穀類、いも類、豆類、キノコ類
●血を補う● レバー、牛肉、豚肉、アサリ、しじみ、牡蠣
●水を補う● 豚肉、にんじん、かぼちゃ、卵、豆乳、牛乳
●腎を補う● 豚肉、魚介類、海藻、ヤマイモ、黒ごま、クルミ、栗、小魚
●筋骨を補う● 牛すじ、骨付き肉、軟骨、たこ
●血液をきれいにする● たまねぎ、らっきょう、酢、青魚

★ケガをしにくい身体作りには ・・・・・ 血、水、腎、筋骨を補うものをとる
★疲労回復には ・・・・・ 気を補う物、血液をきれいにするものをとる
★アフターケアには ・・・・・ 気、血、水、腎を補うものをとる

練習後や本番後もしっかり補給してください。

秋の「気」を感じながら走ろう

マラソンを走るために避けたい生活習慣もあげておきましょう。

▼寝不足やスマホ、PCでの目の酷使は血液を消耗させる
▼過度の飲酒は肝臓を疲れさせ、血液を汚し、疲労感が抜けにくくなる
▼糖質制限食などの偏食は一時的な効果があるだけ
▼かかとを強く打ち付けて走ると腎の気が減り貧血になる

秋は「芸術の秋」ともいわれるように、色や音、匂いなどの目に見えない無形の気(五感器)を養い、気を育てます。紅葉や澄んだ空、その街独特の空気を感じながら気を養い、楽しみながら走ってください。それはマラソン完走と、マラソンを長続きさせる秘訣でもあります。
(WELLNESS No.2掲載より)

お話を伺ったのは・・・
源保堂鍼灸院 瀬戸 郁保(院長・鍼灸師) 瀬戸 佳子(国際中医薬膳師)

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